整体師資格の難易度・合格率・費用

国家資格

「高齢化社会」と言われる現代では、仕事を引退した65歳以上の人口が増え、老化に伴って肩こり、腰痛、関節痛に代表される体の不調を訴える人も増えてきています。その身体のバランスを整える仕事が「整体師」です。

今後も体の不調を訴える人が増え続ける将来を見据えて、整体師の仕事をしたいと考える人は多いでしょうが、どうすれば整体師になれるのか? 資格や免許は必要なのか? 資格や免許を取得する難易度と費用は?ということが気になると思います。

そこで、整体師とはどういう職業で、どういった資格を手にすればなれるのかについて詳しく解説していきます。

1.整体師とは

まずは、「整体師」というものがどういう職業なのか説明していきます。

整体とは

膝痛の男性整体とは、老化やストレスによって身体に現れる不調を改善するために、体全体のバランスを整えて、マッサージ、ストレッチ、テーピングによって、人間の自然治癒力を高めていく手技療法です。

たとえば病院の整形外科では、患者が「膝が痛い」と言えばレントゲン検査をして、痛み止めなどの薬を処方しながら治療を進めてきますが、整体師は、レントゲン検査を行えず、薬や湿布やテーピングなどの外用薬も提供できませんが、お客様の体を検査して、筋肉のほぐしや骨格矯正、骨盤矯正といった施術をすることにより、じっくりと身体のバランスを整えていく職業です。

仕事のストレスや疲れが溜まった女性、ボディケアで体を整えたい若者、そして加齢による不調を訴える若い人から老人まで、幅広く利用されています。

整体師の仕事をまとめると、以下です。

  • 筋肉の凝りをほぐす
  • 骨格を矯正する
  • 関節の動きをスムーズにする
  • 身体の歪みを本来の形に整える
  • スポーツ選手の体のケア
  • 疲れとストレスの解消
  • 気持ちをリフレッシュして、内面的健康を支える

筋肉の凝りをほぐす

整体師の仕事は、まずマッサージによって「体の凝りをほぐす」ことから始まります。凝り固まった筋肉をほぐすことによって血行を促進し、その後の手技が効果的に行われるようにするのです。

骨格を矯正する

次に「骨格を矯正」します。マッサージによって体の凝りがほぐれたとしても、「なぜ筋肉が凝るのか?」の根本的な原因は体の歪みにあり、たとえば腰や背中を傷めた猫背の人は、その歪みからしっかりと対策する必要があるからです。整体院、鍼灸院、接骨院の他にも「カイロプラティック院」と呼ばれる矯正治療も人気です。

関節の動きをスムーズにする

次にストレッチの手技で「関節の動きをスムーズにする」治療を行います。体が凝り始めると関節の柔軟性を奪い、いくらマッサージを行っても体のバランスは整いません。筋肉、骨格とともに、関節の動きを滑らかにしていきます。

身体の歪みを本来の形に整える

そして骨盤矯正に代表されるように、「身体の歪みを本来の形に整える」ことも重要な仕事です。とくに女性は骨盤の歪みが原因で、体の不調、肩こり、腰痛、便秘、生理不順などを引き起こす場合があるため、本来の形に戻しておくことが大切。近年は体の歪みを強制する「マニュピレーション」「カイロプラティック」も流行しています。

スポーツ選手の体のケア

他にも「スポーツ選手の体のケア」を行います。疲労が溜まりやすく、怪我をしやすいスポーツ選手のコンディショニングを目的として、基礎医学をもとにした技術を駆使して、ボディケアを行っていくのです。

疲れとストレスの解消

整体師が治療することによって「疲れとストレス」を解消できます。自分がお客さんになったときのことをイメージすると、信頼できない人に体を触られるのは不快なものですが、信頼できる人であれば、自分の心情を吐露できる一種の「セラピスト」のような存在になります。「気持ちをリフレッシュして、内面的健康を支える」ことも整体師の重要な役割です。

気持ちをリフレッシュして、内面的健康を支える

最近の整体の技術では、自律神経の調整やクラニアル頭蓋骨調整、更に内臓疾患の調整など現代病と呼ばれるような症状に対応した施術に広がっています。そして整体師の職種も、民間団体やNPO法人が資格提供をしているセラピスト、リフレクソロジスト、カイロプラティックなどの専門家へと広がりを見せています。

整体の仕事は大きく2つに分けられます。

1つは「癒し系」の整体でセラピスト、リフレクソロジストと呼ばれる人たちが筋肉をほぐしたり、マッサージをしたりリラクゼーションを中心とした整体法で、以下が特徴です。

  • 60分2,980円、90分4,320円など施術時間で金額が決まる
  • 駅前出店や路面店での出店が多い
  • FC(フランチャイズ)が多い
  • アルバイトが多く、短期間の研修で店に出る

もうひとつは「治療系」と呼ばれる整体です。

業界の中では整体師というよりは「治療家」と呼ぶ方が多いです。(カイロプラティック院では、カイロプラクターと呼ばれます。)

特徴としては

  • 個人又は少人数で・独立して経営している人が多い
  • 時間制よりも、その人の状態に合わせた施術時間
  • 1回の単価料金は4,000円~7,000円が相場
  • 自宅やマンションの一室など立地に恵まれない場所で経営している
  • 治療技術の勉強で数百万以上かけて勉強している

一般の方からみると違いはわかりづらいですが、同じ整体といっても業界内では、やっていることがかなり違うというのが現実です。

 

整体師の給料、年収はどれくらいか

整体師の給料、年収は、「店舗スタッフ(社員、アルバイト)」と「独立開業した人」と「複数店舗を持つ経営者」によって変わります。

またたくさんの民間資格を持ち、基礎知識を学んでいる人と、そうでない人でも変わります。

そして開業してからは、とにかく沢山の患者さんに通院してもらうことで収入が大きく変わります。

<店舗スタッフ(社員、アルバイト)>

整体師

整体院の店舗で雇用される社員の場合、有資格者(民間資格又は経験者)で月収20万円、無資格者で月収15〜17万円が相場になります。

アルバイトの場合は有資格者で時給1,000円、無資格者で700円が一般的です。

*有資格者・アルバイトの月収
時給1,000円 × 8時間労働/日 × 25日間 = 月収20万円

*無資格者・アルバイトの月収
時給700円 × 8時間労働/日 × 25日間 = 月収14万円

ただし無資格者の場合は、民間資格を取得するために整体学校に通学しながら仕事をする人も多く、午前中だけ整体院で仕事をして、午後から学校に行くようなスタイルをとった場合は一日8時間のフルタイムで働けるとは限らないので上記よりも収入が少なくなります。

お客が多く忙しい整体院では、その技術力で患者を満足させるためのインセンティブとして、「お客一人につき◯円プラス」という歩合を設定していることがありますので、頑張れば頑張った分だけ見返りがある場合もあります。

 

<独立開業した人>

お店

整体院を開業してからは、まずお客さんに来てもらうことが何よりも大切で、一度来てくれた人にリピーターとして定着してもらうことも重要な課題となります。

お客さんが定着するまでには最低一年かかると言われ、独立開業を目指す場合は、最低一年は収入が減ることを覚悟している人がほとんどです。

1回あたりの施術料は4,000円〜7,000円と幅がありますので、一人で開業した場合の収入目安を計算してみます。

*一日4人の患者を施術した場合
施術料5,000円 × 患者4人/日 × 25日営業 = 売上50万円(年商600万円)
年商600万円 − 家賃100万円 − 諸経費50万円 = 年収450万円

*一日8人の患者を施術した場合
施術料5,000円 × 患者8人/日 × 25日営業 = 売上100万円(年商1,200万円)
年商1,200万円 − 家賃100万円 − 諸経費50万円 = 年収1,050万円

このように独立開業した場合の収入は、患者の数に比例します。

もしお客さんが少なく、リピーターを獲得できなかった場合は、「雇われ社員のほうが良かった」と感じてしまうぐらいの収入になりますが、頑張ってお客さんを獲得できれば収入的な夢があります。

「技術さえあれば食べていけるだけは人が来る」という整体業界特有の古い体質を引きずっており、集客技術を軽視した状態で開業してしまった場合に多く見られるのですが、ただ開業しただけでは集客が厳しく、開業してからもアルバイトをしたり、他の院やマッサージ店で働くなど副業しながらなんとか生活を維持している人も少なくありません。

 

<複数店舗を持つ経営者>

多店舗

独立開業する人のなかには、自分で施術を行わずに店長を雇用し、オーナーとして複数の店舗を持つ経営者もいます。

そのようなタイプは、施術スキルや専門知識を高めるよりも、マーケティング、集客、営業(宣伝)、資金繰りを考えるのが仕事になり、経営者の要素がより強くなります。

*3店舗経営した場合
施術料5,000円 × 患者4人/日 × 25日営業 × 3店舗 = 売上150万円(年商1,800万円)
年商1,800万円 − 家賃300万円 − 人件費500万円 − 諸経費150万円 = 年収850万円

*6店舗経営した場合
施術料5,000円 × 患者4人/日 × 25日営業 × 6店舗 = 売上300万円(年商3,600万円)
年商3,600万円 − 家賃600万円 − 人件費1,000万円 − 諸経費300万円 = 年収1,700万円

あくまで各店舗に店長一人を雇用した場合で計算をしていますが、安定的に患者が訪れる店舗を複数持っている場合には年収が高くなります。
ただし、独立するにあたっての開業資金と、しばらくは無収入でも生活していくためのお金を先行投資することは必要になります。

 

 

2.整体師になるには

資格の取得は必須か

賞状

「整骨院」を開業する場合には柔道整復師、「鍼灸院」を開業する場合には鍼灸師という国家資格が必要ですが、店舗スタッフとして働く場合には資格は必要ありません。

その一方で整体師は開業するときも、店舗スタッフとして働くときにも資格は必要ありません。カイロプラティックと呼ばれる整体技術もありますが、こちらも今のところは認定資格がありません。

整体師には国家資格が存在せず、あるのは整体のノウハウや人体の解剖学などの基礎知識を教える整体学校から付与される「民間資格」のみで、これは就職面接で有利に働くようなものではなく、あくまで通学していた整体学校が付与する「修了認定証」のようなものです。

「就職に有利にならない整体の資格を取得する意味はあるのか?」と疑問を感じてしまいますが、それでも人体の治療を行う仕事をするわけですから、解剖学、基礎医学などの専門知識、整体師の心得、具体的な症例などを学問として学びながら、並行して現場での実地経験を積むことが大切です。

整体師の民間資格が社会的に有利に働くものではなくても、専門知識を学んできた証にはなるため、取得しておいた方がいいでしょう。

前述しましたが、整体院によっては有資格者と無資格者(あくまで民間資格)で給料に差をつけている場合もありますので、収入的なメリットもあります。

 

働きながらでも資格取得することは可能

整体師になるために持っておきたい整体に関する国家資格の種類は、柔道整復師、あん摩マッサージ指圧師、鍼灸師です。
柔道整復師、鍼灸師、あん摩マッサージ指圧師の国家資格を取得する場合には、3年間(4年制の学校もある)大学や専門学校に通うことが必要ですが、カイロプラクターなどの整体師の民間資格は3ヶ月〜2年間のプランを選んで通学できるため、働きながら取得することも可能です。

そして学校で専門知識を勉強するだけであれば、知識が深く身につかないものですが、整体院で仕事をしながら勉強をすることで、普段から疑問に感じていたことや、いつも施術を行っている患者さんにより良い対応をするためのヒントになります。

これから資格を取得する若手のために、労働時間を融通してくれる整体院もあり、雇用する側として、スタッフの働ける時間が少なくなるデメリットがありますが、その一方でスタッフが専門知識を学んでくれると、整体院のサービスの質が向上するため、店長や経営者が快く融通してくれることが多いです。

また、整体技術を実践経験などを踏まえて学べる「整体学校」や「整体スクール」には、夜間の時間帯や土日にも開講している学校があります。
夜間に通学する人は、昼間に仕事をしているサラリーマンや、子育てのために夜間しか家を出られない主婦の人、整体とは別の大学や専門学校などに通っている人など、様々です。

日中は忙しいからと言って通信講座で整体の技術を学ぼうとする方もいると思いますが、通信講座では実践経験を積んで感覚を鍛えることができないため、はっきり言っておすすめできません。実践経験を積まないまま整体師として患者さんの身体を調整すると、逆に身体の不調につながってトラブルになる可能性もあります。

整体学校には夜間通学だけでなくフリータイム制をとっているところもあるので、「通う時間がないから」と妥協案を選択しないようにしてください。
働きながら通学することで、一時的に収入が減るデメリットはありますが、将来的な仕事のスキルや収入がアップするというメリットがあります。

 

資格を取るための手段・方法

整体学校/整体スクール

整体師のノウハウを学ぶ学校は、校舎を持つ「整体学校」と、小規模で開催される「整体スクール」に分かれ、どちらも整体師の養成学校になります。

学校

整体学校は、東京、横浜、千葉、栃木、埼玉などの関東圏をはじめ、大阪、福岡、京都、静岡、札幌など、人口の多い都市を中心に開校しています。「整体学校」に通う場合は、他の学校と同じように4月の入学に合わせて願書提出、試験、面接を経て入学することになります。

修学期間はカリキュラムによりますが、6ヶ月〜2年が一般的で、費用は30万円〜200万円までの幅があり、入学試験はよほど素行が悪いなどの理由がなければ合格できるため、90%以上の合格率になります。

夜間や土日に講座を実施している整体学校もあるため、他の仕事をしながら整体師を目指している人、収入を減らすことなく整体師の資格を取得したい人、再就職を見据えている主婦の人には便利です。気になる学校と、修学コースの募集要項をチェックして、資料請求をするか、参加無料の学校説明会に行ってみましょう。

「整体スクール」は小規模で運営されていることから、希望をすればいつでも入学することが可能です。修学期間は1〜3ヶ月が一般的で、費用は10〜30万円になります。

こちらも入学試験が90%以上の合格率となるため、整体師になろうと決意してからすぐに資格取得に向けて動き出したい人に最適です。整体師の民間資格は、各学校とスクールで行われる修了試験に通過すれば付与されることになります。

もうひとつ付け加えるならば、整体師として働きながら、新しい技術を学ぶための技術系スクールが盛んとなっています。

規模も2~3人の少人数から50人以上を教える団体など、日本全国のカリスマ治療家先生が、自分の技術と経験をスクールという形で教えており、ほぼマンツーマンの形で専門課程を修了することができます。

初心者向けというよりはすでに民間資格を持っている、開業しているプロ向けのスクールで費用も1回で3万円程度から1年、2年かけて200万以上かかるところもあります。気になる整体スクールがあれば、無料説明会の開催日をチェックして参加してみるといいでしょう。スクール特選サイトの更新情報を常にチェックして情報を集めるほど、スクール選びの精度が上がっていきます。

参考までにですが、柔道整復師、鍼灸師の国家資格を取得する場合には、3年間専門学校に通うことになり、学費は総額500万円程度と、整体師になるよりも時間とお金がかかるので、相応の覚悟を持つことが必要です。

国家資格を取得したからといって即開業というケースはなく、どこかの整骨院で数年従業員として働くのが一般的な流れになっています。

 

通信講座やDVDで学ぶ

他の仕事をしながら整体師を目指している人、収入を減らすことなく整体師の資格を取得したい人、再就職を見据えている主婦の人は、通信教育で整体師の勉強をすることができます。

通信教育

整体のノウハウを学ぶだけの講座と、民間資格の取得をセットにしている講座から選ぶことができて、しかも通学するよりも費用がリーズナブルというメリットがあります。

テキストを主体にした教材を提供している講座もありますが、知識だけでは不安という方は実技を見ながら学べるDVDが提供される講座もあり、現場で活躍する整体師の手つきや施術を見たいという人は活用すると良いでしょう。

費用は4〜10万円と幅がありますが、整体学校に通うよりもリーズナブルで、しかも自分の好きな時間に学ぶことができます。民間資格取得とセットの講座を受けている場合は、卒業前に修了試験があります。

ただし、通信講座の場合は「実地経験が積めない」というデメリットがあります。

整体は理論も大事ですが、何よりも実地経験がモノを言う世界です。

例えば何かのスポーツでも、プロ選手の華麗な技術をDVDで学んだとしても、それを自分で再現できるかといえば話は別で、人体に触れて、施術を行うことで、座学で学んだ知識をより深く習得することができます。

「実地は整体院で働き出してからでも良いから、まずは基礎知識を学び、資格を取りたい」そう考えている人であれば効率的な勉強方法になります。

何らかの資格を取得したいというお稽古ごとの延長のような形です。

 

独学でも可能

整体師の知識は独学で勉強することも可能です。

方法としては、まず「市販の教材で勉強すること」です。

本で勉強

大手の本屋に行けば、解剖学の本や、整体師が出版している実用書などが販売されておりますので、数千円の費用で勉強を始めることができます。

他にも「オンライン動画、DVD教材で勉強すること」もでき、医学博士や整体師が施術を解説してくれる教材や、「勉強会、セミナー、ボディケア体験会に参加する」という方法もあり、実際に整体の現場で仕事をしている人の話を聞くことができます。

しかし、書籍、DVD、セミナーを利用して独学で学ぶことはできるものの、知識が断片的になってしまい、整体学校のような基礎から専門知識を学ぶことができませんし、しかも整体は患者の体と向き合いながら、あらゆる症例を経験して学ぶ必要があるため、独学で勉強をしても机上の空論になることが多く、現場で活用できるスキルはなかなか身につかないことがほとんどです。

時間と費用が許すのであれば、整体院で働きながら整体学校に通い、頭と体の両方で学んでいくことをお勧めします。

将来開業したいという人であれば、尚更現場を知ることでその経営やノウハウも勉強できます。

 

整体師になるのに年齢を気にする必要はない

ある程度の年齢になると「いまさら若い人に混ざって学生なんて」と思って整体学校に行くことをためらう人もいるかも知れませんが、整体学校には幅広い年齢層の人が通っているので、年齢面では気にする必要はありません。

整体学校に通う年齢層は、高校卒業後すぐに整体師を目指す10代もいれば、将来的な転職や脱サラ(独立開業)を考えて、他の仕事をしながら通う20代、30代、40代の方も多くいます。定年退職後にも整体を開業したいと考える60代後半の方も珍しくはありません。

 

3.整体師の資格を取る難易度や合格率

整体師の民間資格については、各学校やスクールでまじめに勉強していれば落ちることはほとんどなく、合格率も公表されていません。

参考までに「整骨院」を開業するために必要な国家資格「柔道整復師」の合格率をまとめてみます。

柔道整復師になるには、大学や専門学校で3年以上学び、国家試験を受験する必要があります。

500万円の学費を支払い、3年間学校に通う国家資格の難易度は、どの程度のものなのでしょうか?

国家資格「柔道整復師」の合格率
年度 受験者数 合格率
平成21年 6,772人 70.3%
平成22年 7,156人 77.8%
平成23年 6,652人 69.3%
平成24年 6,754人 77.4%
平成25年 6,503人 68.2%
平成26年 7,102人 75.3%
平成27年 6,858人 65.7%

※厚生労働省ホームページより抜粋

以前は高額な学費などを理由に柔道整復師を目指す人が少なく、国家資格の合格率は90%前後でした。

しかし今では高齢化社会を見据えて、身体的なケアや、メンタルヘルスを仕事にしたいと考える人が多く、ここ数年の受験者数は約7,000人で、合格率は70〜75%前後になっています。

もう一つの参考として、「鍼灸院」を開業するために必要な国家資格「鍼灸師」の合格率をまとめてみます。

こちらも高額な授業料を支払い、3年以上学校に通うことが必要ですが、国家試験の難易度はどの程度のものなのでしょうか?

国家資格「鍼灸師」の合格率
年度 受験者数 合格率
平成20年 5,354人 78.7%
平成21年 5,283人 75.5%
平成22年 5,483人 83.0%
平成23年 5,015人 72.8%
平成24年 5,157人 77.7%
平成25年 5,036人 77.3%
平成26年 4,976人 76.5%

※厚生労働省ホームページより抜粋

柔道整復師と比較すると、受験者数は約5,000人に減り、合格率は80%前後と高くなりますので、鍼灸師の方がやや合格しやすいと言えます。

ただし資格取得までに時間とお金を投資すること、勉強が必要であることは変わりありません。

高齢者が増え、しかも仕事のストレスや疲労を抱える人が増えてきたことで、体のメンテナンスをする意識がプロスポーツ選手だけではなく、一般人にも広がっています。

街に空き店舗ができると美容室か鍼灸・整骨院ができるという昨今は、一種の飽和状態になりつつありますが、裏を返せばそれだけのニーズがあるということです。

これだけ多くの人が資格取得を目指すようになると、合格率は必然的に下がりますので、競争を勝ち抜けるようにしっかりと勉強してくことが必要です。

 

4.資格を取ってから整体師として働くまで

整体師の資格を取っただけで、生活していけるわけではありません。

学んできた知識とスキルを活かすために、既存の整体院に就職して働くか、自分で独立開業をしてお金を稼いでいく必要があります。

 

既存の整体院で働く

整体師の民間資格を取得してから仕事をするには、まず既存の整体院で働くことが近道です。

学校で学んだ知識をフル活用しながら施術をして、自分のスキルを高めることができるからです。

しかも雇用される場合は、開業資金などの先行投資を必要とせず、給料をもらいながら経験を積むことができるというメリットがあります。

多いときで一日に十人近くもの施術やマッサージを行う整体師の仕事はハードなもので、本気で整体師を目指す人でなければ続けることができません。

とくに規模が大きく忙しい店舗では、スタッフの入れ替わりが激しく、常時人材を募集していることも多いです。

いきなり未経験で面接を受けに行っても採用されることは少ないものですが、整体学校やスクールで学んできた経歴をアピールして、民間資格を持っていることを伝えれば、採用される可能性が高くなります。

 

開業する

冒頭で紹介しましたが、雇用されたスタッフとして働く限りは、年収250万円前後と、一般的な会社員の平均年収400万円と比較しても低くなります。

より多くお金を稼ぎたい人は、独立開業を見据えて経験を積み、徐々にステップアップしていきます。

開業資金が必要で、しかもリピーターをつかむまでには一年ほどの時間がかかりますので、その間は収入が減ることになりますが、うまくいけばサラリーマンよりも多くのお金を稼ぐことができて、スタッフを雇用して拡大する、複数店舗を経営するなどの未来が見えてきます。

開業には初期費用が必要となり、とくに資金面のリスクがつきものですが、自分の可能性にチャレンジしたい人は、覚悟を持って独立することも選択肢の一つです。

 

自宅開業する

自宅開業

整体院の場合は自宅やマンションの一室で開業もできます。

初期投資が少なくて済むので最初のスタートとしては自宅開業も有効です。

布団1枚、ベッド1台あれば開業できますし、自宅開業支援サービスを利用するのもいいでしょう。家賃もかかりませんが、その分お店の認知をしてもらうための広告活動は必要になります。

開業時は知り合いなどに紹介をしてもらいながら経営するスタイルです。

 

5.整体師の将来性

今後は65歳以上の高齢者がさらに増える高齢化社会になると言われています。

すると整体院や身体のバランスを整える仕事の需要が高まると考えてしまいがちですが、国家資格の受験者数が毎年各5〜7,000人もいることを考えると、今後も健康分野の競争は激しくなることが予想されます。

せっかく資格を取ったのに仕事がない、そんなことだけは避けたいですよね。

 

整体師の求人数は多い

整体師を募集している店舗は多いです。

毎日数人〜数十人の施術を行う整体師は、“肉体労働”と言ってもいいぐらいハードな仕事ですから、整体院のスタッフ定着率は低いものです。

施術風景そして整体院が乱立している昨今では、お客さんが多くて忙しい店舗と、少なくて暇な店舗の格差があります。

忙しい店舗ではアルバイト・正社員に関わらず、いつもスタッフを募集しており、しかも人を呼びこむために「資格取得をサポートします」というメリットを提示してくれる場合もあります。

仕事が終わったあとに、院長が直々に基礎医学と実地の講座を開いてくれたり、整体学校に通学するために労働時間を融通してくれたりと、手厚い待遇を受けることができます。

新聞広告や求人サイトへの掲載を行っているのは大手の整体院のみで、小規模な店舗はひっそりと募集をしていることが多いため、近所で評判の整体院の前を通って「スタッフ募集中」の張り紙がされていないかは、常にチェックしておきましょう。

整体学校に通った場合には、卒業前に提携している整体院への就職を斡旋してくれることもあります。

 

整体を求める患者は今後も増える

整体

平成26年の統計では、65歳以上の高齢者は3,296万人いると言われ、総人口に占める割合が25.9%となっています。

それに加えて、昨今の“癒やしブーム”によって、仕事の疲れやストレスを溜め込まないために、若い人でもマッサージに通い、整体でメンテナンスすることを欠かさない人が増えています。

疲れとストレスが原因となって発症する“うつ病”も社会問題化しており、メンタルヘルスのためには、まず体のバランスを整えること、その意識は今度もますます高まることでしょう。

患者は常に「評判が良い整体院」を探しています。

インターネットには整体院や整骨院の口コミを管理する総合サイトが公開されており、健康意識の高い人は近所の整体院の評判を常にチェックしています。

そして満足できなかった整体院は1回限りで通うのをやめてしまい、より良い場所を求めてさまよい歩く“整体院難民”の人は多いものです。

整体は競争の激しい分野ではあるものの、専門的な理論と、高いコンディショニングスキルを併せ持った人材の価値は、今後もますます高まるでしょう。

 

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