ある商品(サービス)を打ち出そうとする場合、その市場へ参入するタイミングが利益に関係してきます。
そのため、ライフサイクルの仕組みを知ることは、経営で利益をあげていくために重要となるのは以前にお話したとおりです。
ライフサイクルについて詳しくはこちら⇒『治療業界の経営で勝つ!ライフサイクルの仕組み』
そして、そこからさらに経営を安定させていくためには、我々の業界における「もうひとつ」のライフサイクルともいうべき「1年の流れ」を把握し、念頭に置いて進めてくことが必要となるでしょう。
そこで今回は、経営を安定させていくために知っておくべき治療業界1年の流れとその対策についてお話したいと思います。
目次
もうひとつのライフサイクル
自分自身でコントロールできない業界の独自性、それは「季節」「時候」という流れ(サイクル)です。
例えば「5月病」と呼ばれる症状があります。
この季節になると、肩こり・腰痛をはじめ自律神経系の頭痛や鬱っぽい症状の患者さんが増えてくるのではないでしょうか。
また逆に、1年でもっとも来院数が落ちる月もありますよね?
こういった時期折々の流れは、皆さんそれぞれに実感されていることかと思います。
このように、我々の業界には「(良くも悪くも)自分ではどうすることもできないサイクル」があり、それは避けることのできないものです。
しかし、だからと言ってそれに流されるままに進んでいては、いつまでも活路を見い出せないことになってしまいます。
治療業界の年間の流れと傾向
治療業界独自の一般的な年間の流れと傾向を簡単にまとめてみました。
1月・2月
稼働日数が少ない割には売り上げはやや良い。
年明けの前半10日間くらいでの需要が高い傾向。
露出系は大幅減。
3月・4月
社会全般に始まりの時期で忙しいこともあり、反応は下がる傾向。
5月・6月
整体の需要がピーク(チャンス)の時期。
主にGW後から高くなる傾向。
7月・8月
全体的に安定して良い傾向。
特に露出系は良い(ダイエット、エステなど)。
9月・10月
以前は第2のピークであったが、最近は厳しい傾向かも?
11月
最初の1週間過ぎると反応が極端に落ち始める。
12月
年間で最も反応が悪い。
集客は最初の1週間と年末5日間(26日以降)が勝負。
このほか、
・大型連休を機に常連の患者さん(ファン)が離れることがある。
・3連休以上の場合は(特に初日、2日目)に患者さんが減少する傾向にある。
・連休前半では予約のキャンセルが増えることもある。
いかがでしょうか?
地域性やサービス内容など、人(院)によりこの流れは違ってくることと思いますが、いずれにせよ、時節による増減はどなたにもあることと思います。
安定経営に向けての対策と再現性
激戦区とも言われる治療業界において、安定した経営を進めていくためには、業界の独自性を踏まえた上での「攻める姿勢」が必要です。
例えば、どれほど頑張っても「ネットでの反応が全くダメだ」「チラシの効果が全くでない」ということもあります。
こういった時に、先述した業界の流れを知っていれば、「ああ、時期が悪かったんだな…」ということが冷静に判断できますし、「では、効果的な時期はいつか?」という予測をすることも可能でしょう。
さらには「では、今何をするべきか」「では、この時期はこうしよう」こういった計画や構築を立てていくこともできます。
そして計画や構築の成果を高めるためには「あなたにとって再現しうる可能性のある未来」を想定して、そこに組み込んでおく。
そのためにも、自院(自分)における年間パターンの分析・把握は必須です。
「自院(自分)のパターンを全く分析できていない人」と、「3年、5年と過去のデータがある人」では、明らかに未来予測の精度が違ってきますよね?
つまり、攻めの姿勢とは、動くべき時を予測しチャンスを掴み、成果に対する正しい評価や判断によってリスクを減らし効率を上げていくということです。
こういった構築をしていくには、全体の流れの中にある自分(自院)の流れを記録しておくことが大切です。
知っておくべきライフサイクルと対策 まとめ
大型連休の切れ目や1年の終わりなどは、今まで来てくれていた患者さんが離れていくタイミングでもあります。
何年も通ってくれていたのに、突然来なくなる…。
これは悲しく辛いことで、私自身も経験していることですが、結局は「しょうがない」と思うしかありません。
また、季節による患者さんの動向も同じで、「しょうがない」と思うしかありません。
こういった流れは自分でコントロールできませんから。
ただ、それを放置していては、経営は成り立たなくなってしまいます。
だからこそ「攻める姿勢」、つまり新規獲得を考えていかなければならないのです。
少しでも早く、多く、利益を上げていくために。
「市場のライフサイクル」、「業界(自身)のライフサイクル」この2つのライフサイクルを上手く活用して、経営を発展・向上・安定させていきましょう!