「整体師に国家資格は必要なんですか?」
よく聞かれる質問です。
結論からいうと、必ず必要な訳ではありません。
▼の記事にも書きましたが、国家資格がなくてもなれます。
整体師になるにはどんな免許や資格が必要なのか?が2分で分かる!
ですが、国家資格があるに越したことはありません。
それは、お客様からの信用が増すからです。
- 「でもどの国家資格を取った方がいいんですか?」
- 「取るにはどれくらい時間がかかりますか?」
今回はそんなお悩みをお持ちの方に対して、整体師が持っていると強みになる国家資格をご紹介していきたいと思います。
目次
整体師が持っていると強みになる国家資格
整体師が持っていると強みになる国家資格は、▼の4つです。
- 柔道整復師
- 鍼灸師
- あん摩マッサージ指圧師
- 理学療法士
他にも「カイロプラクター」や、「健康運動指導士」、「◯◯セラピスト」のような資格もよく聞きますが、これらは民間資格です。
基本的には、▲の4つ以外の資格は民間資格だと思ってもらって大丈夫です。
では、この4つの国家資格についてもう少し詳しくご紹介していきます。
整体師が持っていると強みになる国家資格1 柔道整復師
柔道整復師は、打撲・捻挫・脱臼および骨折などの各種損傷に対して、外科的手術や投薬といった医療的手技を使用せずに、その回復を図ることを目的にした施術を行うことができる資格です。
資格取得後は保険診療を目的とした整骨院で働くことが一般的ですが、経験を重ねた後、自費診療に特化した整体院を開業される方も多いです。
柔道整復師になるには
柔道整復師になるためには、高校卒業後に厚生労働省の許可した専門の養成施設で3年間以上修学するか、文部科学省の指定した四年制大学に通う必要があります。
履修科目は▼
- 解剖学
- 運動学
- 生理学
- 衛生学
- 病理学
- 公衆衛生学
- 柔道整復理論柔道整復実技
- 関係法規
- 外科学
- リハビリテーション学
これらの履修が修了した後に、国家試験を受け合格すると、晴れて柔道整復師になることができます。
柔道整復師の強み
外傷を中心とした、急性・亜急性の原因によって発生する骨折・脱臼・打撲・捻挫・挫傷などの損傷に対して、手術をしない「※非観血的療法」によって、整復・固定などを行うことを得意としています。
※非観血的療法
出血を伴わない治療のこと。
整体師が持っていると強みになる国家資格2 鍼灸師
鍼灸師とは、「鍼(はり)」「灸(きゅう)」という東洋医学にもとづいた方法を使い、身体の不調をやわらげる施術をすることができる資格です。
鍼では、身体のツボに針をさして刺激を与えることで、痛みや不調の症状を和らげることができます。
資格取得後は、鍼灸院に勤めるのが一般的です。
鍼灸師になるには
高校卒業後に厚生労働省の許可した専門の養成施設に3年間以上修学するか、文部科学省の指定した4年制大学に通う必要があります。
履修科目は▼
- 解剖学
- 生理学
- 病理学
- 衛生学
- リハビリテーション理論
- 関係法規
- はり・きゅう・マッサージ概論
- 経絡経穴概論
- 東洋医学概論東西医学理論
などを勉強し履修します。
これらの履修が修了した後に、国家試験を受け合格すると、鍼灸師になることができます。
鍼灸師の強み
これは何と言っても、鍼を使うことができる点です。
柔道整復師や理学療法士も同じ医療系の国家資格ですが、お互いの分野の勉強を就職してから勉強することで、身に付けることができます。
ただこの鍼を使うということだけは、どんなに勉強を深くしたとしても、日本では資格を持っていなければ打つことができません。
これは他の資格にはない、鍼灸師の1番の強みです。
整体師が持っていると強みになる国家資格3 あん摩マッサージ指圧師
あん摩マッサージ指圧師は、名前の通りあん摩・マッサージ・指圧の各手技(なでる・押す・揉む・叩くあらゆる行為)を用いて人体の変調を改善する施術者のことです。
基本的に器具は使用しません。
資格取得後は、整骨院・鍼灸院やリラクゼーションサロンなどが一般的です。
あん摩マッサージ指圧師になるには
あん摩マッサージ指圧師になるには、厚生労働大臣や文部科学大臣が定めた専門学校もしくは特別支援学校などで3年以上学び、必要な科目を修得したのちに、国家試験に合格することが必要です。
履修科目は▼
- 医療概論(医学史を除く)
- 解剖学
- 生理学
- 衛生学
- 公衆衛生学
- 関係法規
- 病理学概論
- 臨床医学総論
- 臨床医学各論
- リハビリテーション医学
- 東洋医学概論・経絡経穴概論
- あん摩マッサージ指圧理論及び東洋医学臨床論
これらの履修が修了した後に、国家試験を受け合格すると、あん摩マッサージ指圧師になることができます。
あん摩マッサージ指圧師の強み
あん摩マッサージ指圧師の強みは、リラクゼーション系のマッサージのスキルがつきやすいことです。
マッサージの種類は大きく分けて2つあり、1つはマッサージによって人に癒しを与えるリラクゼーションマッサージ、もう2つ目は筋麻痺の緩和・固まってしまった関節の動作改善などの医療マッサージです。
2つ目の医療マッサージは、柔道整復師や理学療法士も学校や職場で教わりますが、1つ目のリラクゼーションマッサージはあまり教わりません。
その点で、あん摩マッサージ指圧師はこういった他の職種が普通行わないようなリラクゼーションマッサージのスキルも身に付けることができます。
整体師が持っていると強みになる国家資格4 理学療法士
理学療法士は、ケガや病気などで身体に障害のある方や障害の発生が予測される人に対して、基本動作能力(座る、立つ、歩くなど)の回復や維持を行います。
また障害の悪化の予防を目的に、運動療法や物理療法(温熱、電気等の物理的手段を治療目的に利用するもの)などを用いて、自立した日常生活が送れるよう支援することもできる、医学的リハビリテーションの専門職です。
病院やクリニック、老人介護保険施設などで働くことが一般的です。
理学療法士になるには
理学療法士になるには、厚生労働大臣や文部科学大臣が定めた専門学校もしくは特別支援学校などで3年以上学び、必要な科目を修得したのちに、国家試験に合格することが必要です。
3年制の専門学校もわずかにありますが、ほとんどが4年制の大学か専門学校です。
履修科目は▼
- 解剖学
- 生理学
- 運動学
- 病理学概論
- 臨床心理学
- リハビリテーション医学
- 臨床医学大要
- 人間発達学
これらの履修が修了した後に、国家試験を受け合格すると、理学療法士になることができます。
理学療法士の強み
理学療法士は動作分析を他の職種よりも得意としています。
日常生活動作や歩行、スポーツ動作などから問題点を抽出し、施術に結びつけることができます。
まとめ
整体師になるだけであれば、国家資格は特に必要ありません。
ですが国家資格があると、お客さんから信用を勝ち取りやすいです。
これから整体院の開業を目指す方は、整体師としてのスキルを磨きながら、将来のビジョンに合った国家資格の取得も合わせて検討されてもいいかもしれません。
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