このまま保険診療を続けるのは限界がある。将来的にどうなってしまうのか不安だ。だけど、どうしても保険をやめる決意ができない。自費でやっていける自信がない。
このように悩み・苦しんでいる治療家の先生はとても多いです。
保険診療を頼りに経営してきた治療院(※1)は、保険の縛りがどんどん苦しくなってきたことで、将来への大きな不安を抱えています。保険診療の不安から解放されるためには、自費診療へ移行が最も有効です。
しかし「今すぐ自費診療に移行してください」と無責任なことは言いません。保険診療の売上で経営が成り立っている治療院にとっては、保険をやめることは死活問題です。そして、自費診療で治療院を経営していくことも決して簡単なことではありません。自費診療へ移行するためには、まずはじめに「自費診療を成功させるための知識・考え方」を身につける必要があります。
この記事では、保険診療の不安を抱える治療院がの自費診療の治療院へと移行していくために必要な知識・考え方を解説していきます。保険診療に限界を感じているのであれば、記事の内容を参考にして自費診療への移行実現に繋げてください。
(※1)この記事の中では、柔道整復師が施術を行っている施設である「接骨院」「整骨院」「治療院」のことを意味しています。
目次
治療院の保険診療から自費移行|欠かせない2つの要素
治療院が保険診療をやめて、自費診療へと移行するためには3つの要素が欠かせんません。3つの要素のうち1つでも欠けることで自費診療へ移行することができません。まず初めに3つの要素が「どのようなものなのか」「なぜ必要なのか」について解説していきます。
要素1:マインドセット
要素2:マーケティングスキル
要素1:マインドセット
多くの治療家の先生に欠けている要素が「マインドセット」です。マインドセットとは、物事・出来事に対する自分の考え方のことをいいます。つまり「自費診療への移行を成功するために必要な考え方」が間違っている治療家の方が多くいるということです。
例えば「お金をもらうのが苦手」という治療家の方がいます。これは「治療=ビジネス」というマインドセットを持つことができないために生じている問題の1つです。治療院はビジネスであり、ボランティアではできません。自分が治療した対価として、お金をいただくのはビジネスとして当然のことです。
保険診療だけでの治療院経営と、自費診療での治療院経営は、必要となる考え方が異なるので、自費診療を成功させるためのマインドセットを身につけるようにしてください。
■自費移行に必要なマインドセットを身につける方法
治療院の経営者としてのマインドセットを身につける最初のステップは、「自分がどう考えているのか」を知ることです。
- 治療院の経営とは何か
- 保険診療と自費診療の違いは何か
- 自費治療がどうすれば成功すると思うのか など
今の自分が治療院経営や自費診療に対して持っている考え方(マインドセット)を明確にします。自分の考え方を明確にした後は、すでに自費診療に成功している治療家と交流したり、自費診療に成功している治療家が発信する情報(ブログ・SNSなど)をチェックすることがお勧めです。
自分のマインドセットと自費診療に成功している治療家のマインドセットを比較してください。そして、どこが違うの、成功している治療家はどう考えているのかなどに注目して、自費移行に必要なマインドセットを身につけてください。
[aside type=”boader”]<参考例|自費移行に必要なマインドセット>
- 保険診療では経営することに限界がある
- 「治療」はビジネス(商売)である
- 1回5000円の治療費をもらうことは当然だ
- 「治療の腕」が良くても集客はできない
- これからの時代はWEB集客が必要である
- 「マインドセットが必要だ」と強く想うだけでは変化できない
- マインドセットを意識しながら積極的に行動することが何よりも大事[/aside]
要素2:マーケティングスキル
マーケティングとは、患者様に『治療院の存在を知ってもらい、興味を持ってもらい、来院してもらう』この流れを作るための活動全般のことをいいます。ホームページやチラシを作ることも、マーケティング活動の1つです。
マーケティングスキルを身につけると、保険に頼らなくても自費診療で売上を獲得し続けることができるようになります。患者様を集客できる状況を作りだし、治療院が継続的に売上を獲得するために必要となる活動のことです。例えば、次のような活動がマーケティング活動になります。
- ライバル治療院の強みや弱点を調べる
- 自費診療として提供するサービスを企画・開発する
- 自費診療の価格を設定する
- 集客のためにチラシを出す
- 既存の患者様へキャンペーン(※)のはがきを送る
[aside type=”boader”]※キャンペーンとは
既存の患者様に再び来院してもらうことを目的として、一定期間の宣伝活動を行うこと。
<参考例>「お客様感謝デー」「誕生日おめでとう」「真夏の〇〇キャンペーン」など[/aside]
2018年現在、治療院業界は、一昔前のように保険診療だけで治療院を継続させることが難しいです。「保険診療の限界」は治療家であれば、避けて通れない大きな問題となっています。
では、どうすればこの先も治療家として生き残っていけるのか。その答えとなるのが、マーケティングスキルを身につけることであると言っても過言ではありません。マーケティングがうまく行けば、そのぶん売上を獲得できるからです。
マーケティングスキルを身につけることができれば、保険請求額の改定やカルテの返礼などに悩まされることもなくなります。もしも本気で「保険から自費に移行したい」と望むのであれば、マーケティングスキルを学ぶことからスタートしてください。
■マーケティングスキルを身につける方法
自費診療に成功している治療家のブログ・SNS・メルマガなどから情報を集めることがオススメです。すでに成功している治療家の情報であれば、情報の信憑性が高いからです。ただし、情報を集めるだけでは意味がありません。集めた情報の中から自分ができそうなことを1つ決めて実践してください。
マーケティング関連の書籍を読むことも重要です。情報を発信している治療家であれば、ブログ・SNS・メルマガなどの中でオススメ書籍を紹介しています。そこから自分が気になる書籍を選択してください。
■経営とマーケティングの違い
経営とは、目標を達成するために、経営資源(人・もの・お金・時間)をどうゆうふうに活用して行くのかを考えることです。「経営方針を立てる・考える」などの言い方をします。
[aside type=”boader”]<経営方針の参考例>
- 治療院として、売上がいくら欲しいのか
- そのためにどんなことを実践して行くのか
- どこにお金をかけるのか
- 経営の規模はどの程度にするのか
- 治療院としてのミッション(※1)は何か
- 治療院としてのビジョン(※2)は何か
- 治療院のスローガン(※3)は何か
- 治療メニューはどうするのか
※1ミッション:治療院としての使命。責任をもって果たさなければならないこと。
※2ビジョン :治療院としての理想像。治療院として描く未来の展望。
※3スローガン:治療院の主張・理念を表す短いフレーズ[/aside]
マーケティングは、経営方針を実現するために行う具体的な行動・施策のことをいいます。
治療院の経営方針を立てる
・・・・・↓
マーケティング戦略を考える
上記の流れを理解し、実践することで、保険に頼らない自費診療の治療院として売上を安定させていくことができます。
治療院の保険診療から自費移行|実践における3つのポイント
治療院が保険診療から自費診療へ移行するための、具体的な実践ポイントを3つ解説してます。3つのポイント1つ1つを確認しながら、自費診療への移行を実現してください。
ポイント1:目標・期限・ゴールを設定する
ゴールとは、治療院が達成したい状態のことを指します。この場合は、保険診療から自費診療へと完全に移行することがゴールになります。
自費診療への移行というゴールを達成するためには、「目標」と「期限」を考えることが非常に重要です。「目標」とは「売上の目標」、「期限」とは「いつまでに完全に自費移行するのか」を決めることをさします。
- 自費診療でいくらの売上が欲しいのか(必要なのか)
- 20××年の○月○日までに自費に移行するのか
- 毎月どのぐらいの売上が必要なのか
- 売上目標達成には、どのぐらい患者様が必要なのか
- そもそも自費診療の価格はいくらで提供するのか など
目標と期限を設定すると、具体的な施策を考えられるようになっていきます。保険に頼ったままではマズイと悩んでいる治療院の多くは、「なんとなく」自費移行したいと考えていることに問題があるのです。
治療院として目標売上と期限をしっかり設定するようにしてください。目標や期限が明確になることで、保険診療から自費移行へと切り替えていくことが可能になります。
■ゴールからの逆算で目標達成する方法
ゴールを基準に、そこからの「逆算」で目標・期限を設定する方法をお伝えします。ゴールからの逆算で目標・期限を設定する全体像は次の通りです。
[aside type=”boader”]<ゴールからの逆算で目標達成するための全体像>
ゴール設定
・・↓
必要な行動を計画を立てる(目標・期限を設定する)
・・↓
立てた計画を実践できる具体的な内容を考える
・・↓
計画どおりに実践する
・・↓
ゴールにたどり着く
<参考例>
「今年こそ自費移行する」というゴール設定をします。そこから、「なぜ自費診療をやるのか」「自費診療の達成にはどんな課題があるのか」「課題をどのように克服するのか(目標)」「いつまでに克服するのか(期限)」「今すぐ簡単に取り組めることは何か」などを、ゴールからの逆算で、必要な行動を実践できるレベルに落とし込んでいきます。[/aside]
■ゴールからの逆算|実践方法
- 理想的なゴールを描く
- ゴール達成に必要となる課題を明確にする
- 課題の克服に必要となるお金・時間・物・人を明確にする
- 自分でできること・他人に任せることを仕分けする
- 「3」の仕分けで悩むときは必要な情報を集める(必要な知識のインプット)
- 課題解決に向けて実践するべき行動に優先順位をつける
- 「5」で優先順位をつけた行動に期限をつける
- 期限をつけた順に必要な行動を並べる
- 一番はじめに取るべき行動を実践する
ポイント2:3つの患者タイプとその攻略法
自費移行していく際に問題点となるのが、保険診療を受けている既存患者様への対応です。「既存の保険患者様も自費診療に移行しないといけないのか」と悩んでしまう治療家の方は多くいます。
しかし、基本的には保険の患者様に自費診療を進める必要はありません。保険の患者様と自費診療を受けてくれる患者様は、求めているものが違うからです。
例えば、保険の患者様は「安さ」を求めて保険診療を受けに来ているケースがほとんどです。なので、「高いお金を払ってまで治療を受ける気はない」と考える傾向にあります。
一方、自費診療を受けてくれる患者様は「本気で症状を改善したい」という想いを持って施術を受ける傾向にあります。なので、多少高いお金を払ってでも、体調を良くしたい思いが強いのです。
保険の患者様と自費の患者様、どちらが良い・悪いということはありません。けれども、自費診療の治療院としては、「多少高いお金を払ってでも、体調を良くしたい」という価値観を持ってくれている自費の患者様を集客していく必要があります。
保険診療から自費移行するはじめの段階では、「保険の患者様と自費の患者様はタイプが違う」という事実をしっかりと認識してください。そして、自費診療を受けてくれる患者様の集客を実践していくようにしてください。
■既存患者様に対する注意点
- 保険の患者様には保険診療が終了する理由と期日を伝える
- 既存の保険患者様には、無理に自費治療を進めない
- 保険患者様は自費移行したら来なくなることを認識する
■休眠患者様への対応
休眠患者様とは、以前来院してくれていたけれど、今は来院されなくなった患者様のことを指します。
保険診療から自費診療へと移行するときは、休眠患者様に対して「自費移行のお知らせ」などの形で、ハガキ、または、DMを送付するようにしてください。休眠患者様たちは保険診療で通っていた人たちになるので、再来院してくれる可能性は低いといえます。
可能性は低いと考える理由は、保険の患者様は「安い価格」を求めている可能性が高いからです。しかし、休眠患者様の一部は、少し高い費用を出しても自費診療を受けたいと感じてくれる可能性があります。なので、お知らせのハガキ、もしくは、DMを送ることで、再来院を促すようにしてください。
「自費移行のお知らせ」を送付する場合と、送付しない場合では、患者様に与える印象が大きく変わってしまいます。治療院は地域型のビジネスなので、細かい心遣いも忘れないことが大切です。
ポイント3:自費治療によって起こる3つの変化と対処法
保険診療を抜け出し、自費診療へと移行すると必ず起きる変化があります。それは次の3つです。
変化1:一時的な売上の増減
変化2:一時的な患者様の増減
変化3:患者様の質の変化
変化1:一時的な売上の増減
保険診療から自費診療へと移行するときは、一時的に売上が減少します。なぜなら、自費移行に伴い保険患者が減少することで、保険診療で稼いでいた売上が減少するためです。
一方、「保険診療が終わってしまうから」という理由で、保険診療の患者様が増えることで売上が一時的に伸びることも予測されます。
対処法
自費診療の患者様をしっかり集客するための計画(プラン)を立てるようにしてください。自費診療の患者様をしっかり集客することができれば、売上は徐々に上がっていきます。なので、一時的な売上の減少に困惑する必要はありません。
WEBから患者様を集客する方法について、別の記事で詳しく解説しているので。ぜひご覧ください。
→ 売れてる治療院が実践している6つのWEB集客方法
変化2:患者様の来院回数が増減
保険診療から自費診療へと移行していくと、患者様の来院回数が減少します。しかし、これは正常な反応であり、避けることができない現象です。
一方、「保険診療が終わってしまうから」という理由で、保険患者様の来院数が一時的に増えることもあります。
対処法
保険診療から自費診療へと移行する際は、患者様の来院数に対する考え方を改める必要があります。保険の患者様と自費診療の患者様は来院できる頻度が違うのです。その理由は売上の公式を考えてみることで理解できます。
[aside type=”boader”]
<売上の公式>
売上= 数 × 単価 × 頻度
数 :患者数
単価:施術単価
頻度:来院回数
売上の公式で確認するポイントは「患者数」「施術単価」「来院回数」この3つの数字です。3つの数字のうち「自分の治療院はどこが弱いのか(少ないのか)」を把握することが重要になります。[/aside]
例えば、目標売上が100万円の場合
- ケース1:1回5000円の単価では、毎月200人の患者様を施術する必要がある
- ケース2:1回5万円の単価では、毎月20人の患者様を施術する必要がある
保険診療から自費診療に移行していく際は、売上の公式を常に頭に入れながら、治療院の目標を考えてください。これもマインドセットの1つです。例えば、上記の「ケース1」と「ケース2」ならば「どちらのケースが目標達成しやすいか」と考えることができます。
患者様の来院数に一喜一憂するのではなく、売上の公式を中心にして、自分の治療院の目標売上とその達成に必要な3つの数字を把握するようにしてください。
仮に5000円の自費診療を提供するとしても、余程のお金に余裕がある患者様でない限り、週に2回・3回と5000円の料金を払い続けることはできません。なので、患者様が来院される数(頻度)は減少することが多いです。
自費診療になれば「単価」が高くなります。単価が高くなる理由は、今まで保険診療として得ていた売上を「自費」として補填する必要があるからです。自費メニューとして価格を設定する場合は、治療院の経営方針に合わせて設定していく必要があります。一般的には5000円前後を自費診療の施術費としている治療院が多いようです。
患者様の来院頻度が増減する理由は施術価格だけではありません。「広告」「メニュー」など、マーケティング活動の内容次第で変化してきます。例えば、施術単価が高くても患者様が求めているメニューであれば予約は取れます。マーケティング活動の内容が治療院の売上に大きく関わるので、マーケティングスキルを身につけることは常に意識してください。
変化3:患者様の質の変化
保険診療から自費診療へと移行すると、患者様が求めるているものが変化します。具体的には、患者様が求める「施術内容」と「価格」にの違いが現れることが多いです。
保険診療の患者様であれば、「安い施術を受けたい」と考えている傾向が強いです。一方で、自費診療の患者様であれば「高くてもいいから施術を通して症状を改善したい」と考えている傾向が強いといえます。つまり、保険診療の患者様と自費診療の患者様では、求めているものが全く違うということです。
対処法
今ままで保険診療で集客してきた患者様は減少し、自費診療でもいいから症状を改善したい人が患者様になって行きます。この変化の過程の中で、自費診療の患者様に合わせた問診・検査・トーク・施術などのサービスを提供できるようになることが重要です。
患者様の「質」が変化することを、マーケティング用語では「ターゲットが変わる」と言います。ターゲットを決めることは、マーケティングを実践していく上でとても重要なことなので、ぜひ覚えておいてください。
治療院の保険診療から自費移行|5つの注意点
保険診療から自費診療へと移行する過程には、いくつか注意するべきことがあります。その中でも代表的な5つの注意点を解説していきます。
注意点1:集客さえできれば大丈夫と勘違いしないこと
多くの治療家が保険診療から自費診療へと移行する際に不安に思うことがあります。それは「集客」の問題です。自費に移行したら患者様が減ってしまい、誰も来なくなってしまうのではないか。このような不安が出てきてしまいます。
そして、集客への不安が強くなることで「〇〇集客法」という集客ノウハウの勉強にお金と時間を使うようになってしまう治療家の方は少なくありません。「集客さえできれば、自費移行しても大丈夫!」と考えてしまうことが、原因だと考えられます。
しかし「集客さえできれば大丈夫・安心」と考えてしまうことがそもそもの間違いです。「〇〇集客法」などの集客ノウハウは、患者様を治療院に集めるための1つの手段でしかありません。例えば次のような集客方法があります。
[aside type=”boader”]
<主な治療院の集客方法>
- ホームページ集客
- ポータルサイトを使った集客方法
- Facebook集客
- LINE@集客
- ポスティングチラシの集客
- 新聞折込のチラシ集客方法 など
[/aside]
集客方法を知っておくことは大事なことです。しかし、本当に大切なことは、治療院としての経営方針を考えることにあります。それが、保険診療から自費診療への移行を成功させるために、本当に大切なポイントです。
[aside type=”boader”]
<経営方針の参考例>
- 自分の治療院に来て欲しい患者様はどんな人なのか。
- どんなメッセージを患者様にお伝えするのか。
- どんなサービスを提供して患者様に喜んでいただくのか。
- 患者様は何人集客できると良いのかか
- どんな方法で集客すればいいのか
- 集客のためにどのぐらい費用を使うのか など
[/aside]
「集客ノウハウ」は治療院の経営を成功させるための1つの要素でしかありません。「集客ノウハウ」さえあれば、自費診療に移行できて、治療院が成功できると勘違いしないように気をつけてください。
注意点2:コンサルタントを選ぶポイントを理解しておく
ひと昔前に比べると、現在の治療院業界には「コンサルタント」と言われる業種の方が増えてきました。
[aside type=”boader”]コンサルタントとは、ある事柄について助言・指導を行う専門家。相談役。
参照:Google検索「コンサルタントとは」[/aside]
- 保険診療から自費診療への移行の方法を教えます
- 治療院の集客方法について教えます
- リピート対策について教えます
このような内容を指導してくれる専門家がコンサルタントということです。治療家のなかには「コンサルタント=胡散臭い」と考えている方が多くいると思います。しかし、コンサルタントを正しく利用すれば、短期間で大きな成果を手にすることができます。
自分にはない知識やノウハウについてサポートしてもらい、成果をあげることができのが、コンサルタントとの正しい付き合い方であるといえます。
しかし、コンサルタントの中には、机上の空論を掲げるだけのコンサルタントや、コンサルティング費用を支払っても全くコンサルティングしてくれない方が一定数いることは事実です。そのせいで「コンサルタント=胡散臭い」というイメージがあるのだと思います。
なので、コンサルタントを雇う際には次にご紹介するポイントを意識して、コンサルティングをお願いするようにしてください。
[aside type=”boader”]▼治療院がコンサルタントを選ぶポイント
- 治療院経営の全体像を理解している
- 経営・マーケティングを理想だけで語らない
- 実績がたくさんある
- お客様の声がたくさんある
- 治療業界での実績がある
- サポートがしっかりしている
- 自分で治療院を経営している
- 治療院のオーナーをしている
- 専門性に特化しているか(例:集客なら集客コンサル、分院なら分院コンサル など)
[/aside]
注意点3:目標達成を阻害してくる人に気をつける
自分の目標達成を阻害する人のことを「ドリームキラー」といいます。この場合は、保険診療から自費診療に移行することを阻害してくる人のことを指しています。
- やめておきなよ
- どうせ無理だって
- 保険のままで大丈夫だよ
- 自費なんて厳しいよ
などの言葉をかけてくるのがドリームキラーです。ドリームキラー自身は、決して悪気があって言っているのではありません。心から親切のつもりで、言葉をかけてくれています。
しかし、その言葉に賛同してはいけません。ドリームキラーの言葉に賛同している限りは、自費移行を達成することは難しいと覚えておいてください。
[aside type=”boader”]<よくあるドリームキラーの存在>
- 治療家の仲間(保険診療をしている仲間)
- 家族(奥さん・両親)
- 友人
- 常連の患者様
[/aside]
注意点4:いきなり自己流でやろうとしない
保険診療から自費診療へと移行する際には、全て自己流で挑む必要はありません。幸い、自費移行へと成功した治療家の先生はたくさんいます。そうした治療家たちの経験談を聞くことから始めることも重要です。
- どのように実践していったのか
- どこで必要な知識を勉強したのか
- どのぐらい期間がかかったのか
自分が自費移行を実践していく中で、気になるポイントをしっかり調べながら、1つ1つ必要なことを実践していくようにしてください。
注意点5:完璧主義に気をつける
保険診療から自費診療へと移行する際に、「絶対失敗してはいけない」」と考え込む必要はありません。「完璧にこなそう」と思えば思うほど、行動できなくなってしまいます。
保険診療から自費移行に向けて、まずは具体的な行動をしてみることがとても重要です。そして、実践の中で行動を改善するようにしてください。
実践と行動の改善を繰り返して行くためには「PDCA」のサイクルを回すことがオススメです。
■PDCAサイクル
PDCAサイクルとは、「P→D→C→A」という流れを1サイクルとして、常にこのサイクルを回し続けることです。
- P(Plan) 計画
- D(Do) 行動
- C(Check) 検証
- A(Action) 改善
「P→D→C→A」の「A」まで到達したら、再び「P」に戻り、永久的に「P→D→C→A」の流れのなかで活動を続けます。PDCAのサイクルを意識しながら行動して行くことで、実践と行動の改善を繰り返し、治療院の経営者としての力を高めることができます。
どんなビジネスでも「絶対うまくいく」という方法はありません。なので「完璧」を目指すのではなく、PDCAサイクルを意識しながら、実践と改善を繰り返す姿勢を忘れないでください。
保険診療から抜け出せない治療院|7つの原因と対処法
保険診療を続けることに不安を感じているけれど、どうしても保険診療をやめられない・試しに自費診療を導入することすらできない、などと悩み・苦しんでいる治療院は多くあります。このような悩みを抱えてしまうことには、大きく分けて7つの原因があります。
ここでは、7つの原因とその対処法について、1つ1つ解説していきます。現在の自分の状況と比較しながら、内容を確認してください。
原因1:どうすればいいのか分からない
原因2:「腕さえよければ人が来る」というマインドセット
原因3:自費診療への強い抵抗感
原因3:自費診療で提供できる施術(技術)がない
原因4:自費診療で集客できない
原因5:自費診療をしているが売上が少ない
原因6:スタッフからの反発
原因1:どうすればいいのか分からない
保険をやめて自費に移行したいけれど、「そもそも、どうすればいいのか分からない」と悩んでいる治療院は、少なくないです。特に保険診療のみで10年・20年と治療院を経営してきた方にとっては、「自費診療」というのは、未知の領域であるといえます。
■対処法
まずは「自費診療」に移行するために、必要となる基本知識に触れることからはじめてください。参考例として、オススメの実践内容を以下にご紹介します。
[aside type=”boader”]<参考例>
- 保険から自費に移行した仲間を探して話を聞く
- Google検索して多くの情報を集める
- 治療院経営・マーケティングに関する書籍を読んでみる
- 自費移行に成功した治療家の発信している情報をひろう
- 治療家向けのコンサルタントのブログを読んでみる
- 当サイトの気になる記事を読んで見る
[/aside]
原因2:「腕さえよければ人が来る」というマインドセット
治療院は経営なんて難しいことを考えなくても、「治療さえしていれば大丈夫」と考えている治療家の先生は、非常に多くいます。しかし、保険診療から自費診療に移行しても、「腕さえよければ人がくる」と間違った認識を持っていることが多いです。
「腕さえよければ人がくる」という時代もあったかもしれません。しかし残念ですが「腕さえよければ人がくる」という時代は終わってしまいました。今の患者様は、治療の腕・先生の人柄・立地・価格、など様々なポイントを参考にして、治療院を選ぶようになっています。
なので、治療院を経営することは欠かすことができません。
■対処法
治療院を経営するというマインドセットを持つこと。そして、実際に治療院の経営について学び、実践していくことがとても重要になります。
原因3:自費診療への強い抵抗感
保険診療を行なっていた期間が長い治療院は、自費診療を導入することへの強い抵抗感を持っていることが多いです。抵抗を感じてしまう理由は様々ですが、最も多い理由の1つが、『1回の治療で1000円や2000円をもらうことに抵抗がある』というものです。
保険診療の1回数百円に比べてしまうと、1回1000円以上という価格は、想像することができないために、強い抵抗感を抱いてしまいます。
■対処法
自費診療を成功させるためのマインドセットを構築すること。例えば、次のようなマインドセットが必要になってきます。
- 治療院はビジネスであること
- 1回数千円の治療が「対価」であること
- 保険よりも自費の方が自分のやりたい治療ができること
マインドセットについては、この記事の「目次1:治療院の保険診療から自費移行|欠かせない2つの要素」の中で詳しく解説しています。
原因4:自費診療で提供できる施術(技術)がない
自費治療として抵抗できる施術(技術)がない。これは保険診療歴が長い治療院に多い悩みです。保険診療であれば、「〇〇整体」のようなメニューを考える必要がなかったので、「提供できる施術がない」と悩むことは、仕方がないともいえます。
■対処法
患者様に提供する施術というのは、治療院にとっての『商品』になります。つまり「自費診療として抵抗できる施術(技術)がない=商品がない」ということです。なので、自費診療として提供できる商品を考えることが重要になります。
[aside type=”boader”]<自費診療の施術メニューを作るヒント>
次の5つの項目に対する回答を考えてください。答えをつなげることで、1つの商品を構築することができます。
- 誰に向けての商品なのか(ターゲットは誰か)
- ターゲットのどんな症状・悩みを改善するのか
- 症状・悩みの原因はなにか
- どんな施術をするのか(例|頚椎の矯正・骨盤の矯正)
- 施術を受けた患者様はどんな変化を手にするのか
※もし、自分1人では商品を作れない・考えられないという場合は、技術セミナーなどに参加して、自費診療として提供できる技術を身につけることも1つの手段です。
[/aside]
原因5:自費診療で集客できない
集客できない、もしくは、集客できる自信がないから自費診療に移行できないと悩む治療院の方は多くいます。
■対処法
集客できないから自費診療を諦めるというのは、実は言い訳でしかありません。集客で成果を出するために、マインドセット・マーケティングスキルを勉強し、実践することが求められます。
原因6:自費診療をしているが売上が少ない
すでに自費診療をしているけれど、なかなかうまくいかないと悩む治療院があります。
売上が伸びない原因は、「集客」もしくは、「リピート」にあることが多いです。
■対処法
売上の公式を活用します。治療院の売上は「患者様の数」「施術の単価」「患者様のリピート回数」この3つの数字の掛け算で決まります。今の治療院にないが足りないのか、どこの数字をあげれば売上が伸びるのかを見極めて、3つ数字の中で伸ばしたい部分に対する対処をしてください。
[aside type=”boader”]▼売上を伸ばすための考え方
<売上の公式>
売上= 数 × 単価 × 頻度
数 :患者数
単価:施術単価
頻度:リピート回数
<例>自費診療で売上100万円行きたい場合
5000円なら200人の施術が必要
50000万円なら20人の施術が必要
この場合、自分の治療院はどちらの方が実践可能なのかを判断する。
同時に「平均で何回リピートさせたいのか」なども考えていきます。
[/aside]
原因7:周りの人からの反発
自分の周りにいる人からの反発に決意が揺らいでしまい、保険診療から自費診療に移行できないと悩む治療院があります。これは、目次3の中でご紹介した「ドリームキラー」の存在が大きく影響しています。
■対処法
保険をやめること。自費診療へ移行すること。この2つを強く決意することが必要です。それと同時に、マインドセットとマーケティングスキルを身につけていくようにしてください。
ドリームキラーの言葉に流れないようにするためには、同じ目標を持った仲間と頻繁に交流することがお勧めです。人は誰でも、周りにいる人の考え方に影響を受けるので、付き合う仲間も選ぶようにしてください。
治療院が保険に頼り続けることの危険性
「保険診療はいつまで使えるのか」という会話は、保険診療を続けている治療家の間ではよくあることです。結論からいえば、保険診療は限界が来ていると思います。「保険診療は限界が来ている」と考える理由には、保険診療を続けることに、次のようなデメリットがあるからです。
■保険診療のデメリット
- 保険料申請の書類作成に多くの時間と労力を奪われる
- 時間と労力をかけて書類を作成しても返戻になるケースが増えている
- 返戻になったカルテの再申請にも非常に手間がかかる
- 保険の申請から入金まで数ヶ月のタイムラグがある
- 保険者から患者様への調査アンケートの回数が増えてきている
- 近年、2年に1度の療養費改定ごとに保険請求できる条件が厳しくなっている
各デメリットを考えてみても、保険診療を続けることは大きな負担であると言わざるを得ません。
もう1つ理解して欲しい保険診療の大きなデメリットは、治療家としての自分の価値を下げてしまうことです。今尚、接骨院や整骨院のメリットは「保険が使えること」と考えている治療家は多くいます。
しかし、保険診療が適応されるのは急性のケガに対してのみです。原則として「骨折・脱臼・打撲・捻挫」これらのケガに対してのみ保険診療が適応されます。けれども、多くの治療院がいわゆる「グレーな保険請求」をしていることは、すでにご存知のことであると思います。
厳密に判断すれば「保険適応外」であっても、少し解釈を変えて「保険診療が適応可」にする。このようなグレーゾーンで治療を続ける限りは、治療家自身のメンタルも健全な状態を保つことが難しいといえます。
そして、「保険が使えますよ」とメッセージを出していれば、料金の安さをを求める患者様が増えてしまうことも必然であるといえます。その結果、安い料金で多くの患者様を施術し続ける状況を作り出してしまうのです。
このような状況を作り出している原因が保険診療に頼り続けることです。保険診療に頼り続ける限り、治療院の経営はどんどん苦しくなっていくのです。
■保険診療では本当に自分がやりたい治療はできない
保険診療に頼ることで起こるデメリットの中でも、治療家の先生にとって1つ重要なものがあります。それは、施術内容に対して制限が生まれてしまうことです。
治療家の先生は「少しでも患者様を楽にしてあげたい」と考える、心優しい人がとても多いです。そして、その想いを実現するために施術スキルを勉強し、身につけています。
けれども「保険診療」という制限がある限り、原則として、慢性的な腰痛や首の痛み、肩こりなどに対しての治療はできません。保険診療で施術できのは、急性の「骨折・脱臼・打撲・捻挫」のみです。
保険診療の範囲内では、治療家として、本当に提供したい施術サービスを提供することが非常に難しくなります。けれども、自費診療であれば、自分が本当に提供したい施術を患者様に届けられるようになるのです。
まとめ|保険診療から自費診療へ
保険診療から自費診療への移行は誰にでも実現できることです。ただし、そのためには、自費診療に移行するための正しい知識・考え方が必要です。
- 自費の治療院を経営するためのマインドセット
- 自費の治療院を繁盛させるためのマーケティングスキル
この2つの要素を身につけることなしに、保険診療から自費診療への移行を成功させることはできません。そして、具体的なゴール設定も忘れないようにしてください。ただ何と無く行動しているだけでは、自費診療に移行できないので、ゴール設定からの逆算で、ゴールを実現するための具体的な行動プランを考えることが重要になります。
保険診療から自費診療への移行実現には、治療院を経営される院長先生やオーナーの決断も必要になります。もし「保険診療を続ける」というのであれば、それも1つの経営判断です。けれども、治療院としての発展・成長を望むのであれば、保険診療に頼り続けることは限界があることに気づいてください。「開業すれば年収1000万円以上」といわれていた治療院ビジネスは、もう既に終わっています。
自費診療への移行に、年齢・経歴・タイミングなどは関係ありません。必要なことは、自費診療への移行を実現すると決めて、必要な知識を身につけながら行動することです。
具体的には「マインドセット」と「マーケティングスキル」この2つを身につけることからはじめてください。2つの要素を身につけるためには、すでに自費移行に成功している治療家と交流したり、書籍・ブログ・SNSなどで参考になる情報をチェックするから始めることが大事です。
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