あなたは「ライフサイクル」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?

現在、激戦区とも言われている治療業界での経営において。

ライフサイクルについて知っているか?知らないか?では、結果が大きく違ってくる…と言っても過言ではないでしょう。

一人治療家やセラピストが経営を進めていく上で、ライフサイクルは非常に重要な事柄の一つかと思います。

ですが、このライフサイクルのことを知らないまま経営を進めてしまい、苦労してしまう方が非常に多いのも事実です。

そこで今回は、このライフサイクルについて、お話してみたいと思います。

ライフサイクルとは何なのか?

lifecycle

ライフサイクルとは、商品やサービスなどが市場に登場してから姿を消すまでの流れを数値化して曲線グラフで示したものです。

平たく言えばトレンドの周期のことで、商品やサービスなどの流行や衰退の流れをグラフに表わしたものです。

またグラフでは、その数値の推移により、導入期・成長期・成熟期・衰退期といった段階ごとに区切ることができます。

それぞれの各期間は、ほぼ例外なく等間隔で刻まれます。
導入期が3年であれば、成長期・成熟期も3年ずつ…という感じです。

この事を分かりやすく示す図がありますので、例としてあげてみます。

Googleトレンド-パンケーキ

このグラフはグーグルトレンドというツールを使い「パンケーキ」というキーワードで調べたものです。

縦軸は商品(パンケーキ)の市場における認知度(市場浸透率)を、横軸は時間の経過を示しています。

グラフ上の赤い線は、分かりやすいように私が入れたものですが、それぞれの期間がほぼ等間隔であることを見て取れるかと思います。

 

このようにライフサイクルで表される波形は、利益を上げていくためのヒントとして活用することができます。

ライフサイクルと利益の関係

同じ商品(サービス)であっても導入期・成長期・成熟期では、その時期により得られる利益が違ってきます。

一般に、全体の利益の内の8割は成長期の段階で得られる、とも言われています。

導入期の場合、商品(サービス)の市場における認知が低いため、その商品を認知させるためのコストがかかりすぎたり、知られていない=売れにくいといった理由から、結果として利益が低くなります。

また、成熟期には商品の認知度は上がっているものの、競合もその分多く市場に参入しているため、やはり結果として利益が低くなるのです。

つまり市場では、波形がグンと右肩上がりになる成長期の瞬間に参入していた場合に、大きな利益が得られるという構造があるのです。
(ここで得られる利益は「先行者利益」とも呼ばれています。)

ですので、同じ商品やサービスであっても、得られる利益の大きさは市場へ参入するタイミングによって左右される部分もあります。

治療業界のライフサイクルを読む

では、ライフサイクルについて大まかに理解できたところで、我々の業界においての現実的なキーワードをグーグルトレンドを使って見てみましょう。

下の図は「整体」というキーワードで調べたものです。

Googleトレンド-整体

大きな波がなく、ほとんど横ばいといった感じですが、これが非常に重要で、一定の検索数があるということが分かります。

一定のボリュームがあるということは、いきなりなくなることはない、つまり、ビジネスとしては非常に安定しているということです。

では、「腰痛」はどうでしょうか。

Googleトレンド-腰痛

やや右肩上がり…といった感じでしょうか。
ただこれは、ネットの普及、さらにスマホの普及などによって検索が増えている影響があるかもしれません。

ですので、判断の難しいところではありますが、傾向としては右肩上がりということで良いでしょう。

さらに「ふくらはぎ」を見てみましょう。

Googleトレンド-ふくらはぎ

 

これも結構、検索されてきているようですね。
まだ、上昇していく可能性もあります。

この他、業界に関連するキーワードとしては、産後骨盤やパーソナルトレーナーなども、ここ近年で検索数が増えている(右肩上がりの傾向がある)ようです。

上記の例以外でも、「整骨院」「リラクゼーション」というようなカテゴリーで業界の大きな流れを読んでみたり、サービスや症状といったもので細かく調べてみるのも面白いでしょう。

ライフサイクルを知ることの意義

ここであなたがライフサイクルについて知るということ。

それは、「何か新商品を出そう」とした時、「このサービスを打ち出そう!」と思う時、その戦略の見通しを立てるのに役立つかもしれません。

あるいは、もうすでに利益が見込めない商品やサービスに手を出してしまうといったリスクを回避できるかもしれません。

ライフサイクル的にどのタイミングで参入したか?あるいは参入すれば良いか?ということを知れば、今後の戦略に役立つ場合もあるでしょう。

要は、「そういった部分に意識を向けていく」ということが重要なのです。

「どの切り口でいくか?」という部分において、治療業界はまだまだ発展していくジャンルです。

時代のトレンドを組み込む、時代を予測した商品やサービスを確立しておくなどなど。

ライフサイクルのことを理解しておけば、経営の発展性を広げていけるのです。

ライフサイクルの仕組み まとめ

ライフサイクルは経営の全てをカバーしてくれるものではありませんが、大きな一助となるものです。

その仕組みを知っているのと知らないのとでは、経営に差がでることは必至とも言えます。

治療業界での経営を勝ち進めていくためにも、ライフサイクルの仕組みを念頭に置きながら、動くべきタイミングや掴むべきチャンスを逃さないように頑張っていきましょう!