PPC広告を出しているけど、なかなかうまく集客できない。
そんな悩みを抱えている院長先生が、よく私のところにいらっしゃいます。
先生によってうまくいかない原因は様々ですが、その中でも多くみられるのが、
『キーワード設定のミス』です。
キーワードが的外れなものになっていると、せっかくPPC広告を出稿しても、ほとんど成約につながりません。
成約につながらないどころか、表示すらされません。
これを読んでくれている皆さんには、しっかりと成果を出してほしいので、今回はPPC広告のキーワード設定方法の基本的な考え方について書いていきます。
目次
キーワード選定がPPC広告成功のカギ
PPC広告で成功するためには、「キーワードの設定」は避けては通れません。
どんなに広告の内容が良くても、ユーザーが調べる「キーワード」をこちらが特定し「キーワード設定」できなければ、その広告は一生読まれることがないからです。
足首捻挫の方を集めるためのキーワード設定の例
極端な例ですが、整体院の院長が「前距腓靭帯損傷」の治療が得意ということで、「前距腓靭帯損傷」の方を集客したいと思っているとします。
院長は、キーワードを「前距腓靭帯損傷 治療」といった組み合わせでGoogle AdWordsへ出稿します。
しかし、患者側は「前距腓靭帯損傷」という言葉で検索をかけるでしょうか?
むしろ、「前距腓靭帯損傷」という言葉自体知っているでしょうか?
答えは言わずもがなで、残念ながらこのような検索はほとんどしてくれません。
こんな難しい専門用語、普通の患者さんは知らないからです。
難しいキーワード VS 誰もが分かるキーワードの検索数の差
やはりユーザーの検索ワードと出稿キーワードのマッチングがカギとなるのです。
この場合は同じ怪我の名称でも、「前距腓靭帯損傷 治療」よりも、「足首捻挫 治療」の方が月間で約32倍も多く検索されていました。
検索するユーザーの心理を推測
ユーザーの検索ワードとキーワードのマッチングがなければ、PPC広告の効果は出ません。
このマッチングを成立させるには、検索するユーザーの心理を推測することが必須です。
次は腰痛を例に考えてみましょう
「腰痛」は多くの人が抱えている悩みですが、これだけで検索すると
- 腰痛の原因の記事
- 腰痛の解消法の記事
- 腰痛症に関する記事
- 腰痛の専門医によるアドバイスの記事
- ぎっくり腰の記事
- 腰が痛い時の自己診断の記事
これだけ様々なジャンルの情報が混在した検索結果になります。
こうなると「腰痛をお金をかけてでも治したい」人は、「腰痛 治療 地域名」など、受けたいサービスの特徴を複数挙げて検索するでしょう。
実際、このように2語以上を使って検索エンジンを利用するユーザーは、90%強いるという調査結果もあります。
こうした複合キーワードで出稿すれば、ユーザーの検索ワードとキーワードがマッチングする可能性が高くなるというわけです。
「メインキーワード」と「サブキーワード」
ここで覚えておきたいのが「メインキーワード」と「サブキーワード」です。
「メインキーワード」は検索対象となる主要なキーワードですが、「サブキーワード」は主要なキーワードの補助的特徴、そして絞り込むために入力されるキーワードとなります。
特にサブキーワードには、検索するユーザーの「○○したい」「○○がほしい」というユーザーの願望心理が隠されており、ここを推理してキーワードを考えていくわけです。
「メインキーワード」と「サブキーワード」の例
腰痛で整体院を探している人は「メインキーワード」は腰痛です。
ではどんな「サブキーワード」で検索してくるか考えてみましょう。
自分が腰痛になったつもりで考えてみてください。
まず上にも書いたように「腰痛 治療 地域名」これはかなり多くの人が検索すると思います。
この場合、「治療 地域名」サブキーワードです。
他にも私は「メインキーワード」の腰痛に対して、ざっと▼のような「サブキーワード」が浮かびました。
メインキーワード | サブキーワード |
腰痛 | 整体 地域名 |
腰痛 | 治らない |
腰痛 | 反ると痛い |
腰痛 | 前屈で痛い |
腰痛 | 治療 方法 |
腰痛 | 根本 改善 |
このように自分が腰痛になったと思って考えて、まずは例をあげてみてください。
ビッグキーワードとスモールキーワードとは
メインキーワードとサブキーワードの次に覚えておきたいのが、「ビッグキーワード」と「スモールキーワード」の概念です。
ビッグキーワードとは、検索エンジンで検索される回数が多いキーワードのことであり、概念の幅が広いキーワードのことをいいます。
先ほど例に挙げた「腰痛」は、病態や、治し方や、種類、など概念が幅広いため、「ビッグキーワード」になるわけです。
一方、スモールキーワードは、検索回数が少なく、概念の狭いキーワードを指します。
あまり一般には知られていないような疾患の名前や専門用語などが該当します。
同じ腰でいうと「第五腰椎すべり症」などのニッチなワードがこれに当たります。
このように、ビッグキーワードとスモールキーワードの違いは、概念の広さと狭さ、そして検索回数によって分かれるわけです。
「ビックキーワード」と「スモールキーワード」の具体的な例を▼に表にしましたので、ご覧ください。
ビッグキーワード | スモールキーワード |
腰痛 | 第五腰椎すべり症 etc |
膝痛 | 曲げると痛い etc |
四十 肩 | 石灰沈着性腱板炎 etc |
ヘルニア | L4/L5 神経根圧迫 etc |
それぞれの特徴
次に集客力の高さ、そしてコンバージョンの高さで考えてみましょう。
ビッグキーワードは検索数が多く、広告の質や入札金額にもよりますが、広告が表示される機会は必然的に高くなります。
しかし概念が幅広いため、ユーザーの検索意図と合致する確率は下がります。
よって、広告が表示されたとしても、それに関心をよせるかどうかは非常に不透明です。
広告がユーザーの目に触れ、クリックする可能性はありますが、コンバージョン率は低く、広告コストも高くなる恐れがあります。
一方、スモールキーワードは、例に挙げた「第五腰椎すべり症」などになります。
これには概念が絞り込まれているため、検索回数が少ないキーワードであっても、ユーザーが意図を持って検索ワードを絞っているので、ユーザーの検索意図に即していれば、高いコンバージョン率が期待できます。
なお、「ミドルキーワード」と呼ばれるものもあり、これはビッグキーワードとスモールキーワードの間に位置し、検索回数がある程度見込めるキーワードを指します。
キーワード選定の基本的な考え方のまとめ
潜在顧客となるユーザーは、「単一キーワード」ではなく、ユーザーの願望となる「複合キーワード」で検索することを解説しました。
そしてこの複合キーワードは、前述したような「メインキーワード」と「サブキーワード」に分類されます。
メインキーワードとは、ビッグキーワードであり、ある程度一般的に知られている「疾患名」などで、ユーザーの検索意図の中心となるキーワードです。
サブキーワードとは、メインキーワードと組み合わせて検索されそうなキーワードです。
メインキーワードから派生する補助的な意味のキーワードで、「治療」「種類」「治し方」など、ほしいと思うユーザーがどのようなキーワードを検索するかを考えた、仮説から生まれるキーワードです。
まずはこれらを念頭に置いて、3語程度の組み合わせで考えていきましょう。
今回はこの辺にして、具体的な検索ワードの設定方法は、また後日詳しく書いていくことにします。