治療院が乱立してきた現在、多くの治療院が「売上が伸びない」と悩み、苦しんでいます。売上が伸びない治療院は、治療院の院長が『治療家』のままで『経営者』になることができていません。
治療院というのは、ビジネスの1つです。そのため、治療院を『経営』する必要があります。『腕のいい職人』のままでは治療院の売上を伸ばすことができないということです。
ここでは治療院の『経営』がそもそも何なのか。どのような考え方・視点が必要になるのか。それを、実際に稼いでいる治療院が実践している知識・ノウハウを基に解説していきます。
稼げる治療院になるために『経営』に関する知識は欠かすことができません。自分の治療院の現状を見直しながら内容を1つ1つ確認してください。
治療院における経営の概念
治療院の多くは経営という視点で考えることは少なく、手技がよければ患者様が来院すると考えられることは少なくありません。治療院で稼ぎ続けるにはそもそも経営についての考え方を知る必要があります。治療院経営で失敗しない為にも稼いでいる治療院が考えている経営の概念と基礎を把握いきましょう。
■そもそも経営とは何か
経営とは治療院を継続させる為の考え方です。その中でも治療院経営者は利益を残すことを特に考えなければいけません。治療院経営に限ったことではありませんが、経営者にとって利益を残すことを考えることが一番大切な要素です。
多くの経営者は売上、集客、治療技術を優先して考え行動をしますが、全ての行動が利益を出すことからの逆算で考える必要があります。このように利益出すための計画を考えるこをを内容を考えることを『経営戦略』といいます。
経営戦略とは
組織の中長期的な方針や計画を指す用語である。
Wikipedia(経営戦略)
もしも経営戦略を無視して利益を出すことを考えずに、目先の売上や集客のことばかりを考えていればキャッシュフローに問題が発生し、売上よりも支払いの方が大きくなる問題も生じてしまいます。治療院経営を考えるということは最終的に利益を出すことを考えること。まずはしっかりと抑えておきましょう。
治療院経営で知っておくべき3つの考え方
治療院経営を成功させるためには3つの考え方を理解しておく必要があります。その1つ1つの考え方について解説していきます。
【1】キャッシュフロー
キャッシュフローとは、キャッシュ(お金)の流れ(フロー)のことです。治療院に入ってくるお金も、治療院から出ていくお金もキャッシュフローの一部ということになります。
治療院に利益を残すためには、キャッシュフローをしっかり把握しておくことが重要です。『キャッシュフローを把握する』とは、現時点でどれだけの資金(お金)が手元にあるのか。そして手元にある資金のうち、どれだけの金額を自由に使う(動かす)ことができるのかを把握するという意味です。
[aside type=”boader”]<参考例>
例えば、集客のためにPPC広告を出稿したいとします。その場合、手元に資金がないとPPC広告を出すことができません。
しかし、もし仮に『出稿すれば確実に10人の患者様を集客できるPPC広告』があったとすれば、借金してでもPPC広告を出す価値はあります。けれども、PPC広告を出して集客した10人の患者様から、どのタイミングで治療院に利益が生まれるのかを考えておく必要があります。
もし『治療院に利益が生まれるタイミング』がわからないまま借金をしてPPC広告をだすならば、とても危険な行為といえます。一方、『いつ・どのぐらいのタイミングで利益になり、借金も返済できる』と予測が立つのであれば、借金をしてPPC広告をだすことも1つの手段として有効であると判断することができます。[/aside]
参考例のように、手元から出ていくお金・入ってくるお金の流れを把握することが、キャッシュフローを把握することになります。そして、キャッシュフローの流れを把握しながら治療院のやること・やらないことを決めていくことが『経営』ということです。
キャッシュフローは、決して『どんぶり勘定』ではいけません。キャッシュフロー(特に「使える資金」)は治療院を経営していくためのエネルギーになります。手元にお金がなくなって治療院を廃業させないためにも、キャッシュフローの考え方はしっかり理解して治療院の経営をしていきましょう。
【2】ビジネスモデル
ビジネスモデルとは、ビジネスにおいてお金を生み出すための仕組みを作ることです。治療院というビジネスにも、ビジネスモデルは存在します。そして、自分の治療院が儲かるためのビジネスモデルを考える必要があります。「儲ける」とはお客様に価値を与え満足してもらいながら、治療院に利益を残していくことです。
ビジネスモデルには様々な形があります。しかし、どんなビジネスモデルがあるのかについては、ここでは主題としていません。ビジネスモデルを考える上で、強く意識して欲しいことは『誰がやっても同じように、一定の成果が出せるビジネスモデルになっているかどうか』です。
[aside type=”boader”]<参考例>
例えば、マクドナルド・ファミレス・吉野家など、全国展開しているのビジネスが、どの地域でも一定の売上を作ることができる理由は、ビジネスモデルが構築されているからです。[/aside]
■モデリングからビジネスモデルを構築する
初めてビジネスモデルを考える場合は、難しく感じてしまうことが多いと思います。そこで、実践してもらいたいのが『モデリング』という方法です。
モデリングとは、理想とする人(憧れる人)の動作・行動を観察して、自分も同じような動作・行動をすることです。
つまり、自分が治療家として憧れる人や尊敬する人が実践しているビジネスモデルをモデリングして見ること。これがもっとも取り組みやすいビジネスモデルの構築方法です。
■ビジネスモデルの構成要素
ビジネスモデルには4つの構成要素があります。理想のビジネスモデルをモデリングする際には、4つの構成要素を意識してモデリングするようにしてください。
- 誰に(Who):ターゲットは誰なのか
- 何を(What):どんな価値を提供するのか
- どのように(How):どうやって価値を提供するのか
- 利益の獲得方法:どうやって利益を獲得するのか(どこで利益を作るのか)
『誰に(Who)何を(What)どのように提供するのか(How)』を考えることでお客様に提供する価値を構築する。同時に『どうやって利益を生み出すのか』考える。それが、ビジネスモデルを構成する4つの要素です。
【3】商品設計
治療院にとっての商品とは『施術』がメインになります。最近では物販を行い商品を増やしている治療院も増えてきています。
どんなに素晴らしいビジネスモデルを構築できたとしても商品が悪いと売上を伸ばすことができません。なので、商品設計は非常に重要です。
ターゲット(患者様)の悩み・不満を解消し、価値提供することで利益を獲得できる商品を作る必要があります。簡単に言ってしまえば『ターゲットに「お得感」を与えることができる商品』です。
具体的な商品設計の方法については、別の記事の中で詳しく解説しています。治療院経営に失敗しないための商品の作り方を解説しているので、ぜひチェックしておいてください。→ 治療院の経営|失敗しない施術メニューの作り方
ここでは、商品設計をする上で必要となる『2つの商品のタイプ』について解説していきます。
商品タイプ1:集客商品
集客商品とは、その名の通り集客を目的に用意する商品(メニュー)です。マーケティング用語でいえば「フロントエンド商品(FE)」と言われるものです。主に新規の患者様を治療院に集客することを目的とした作成します。治療院に利益を残すことが目的ではありません。
なぜ集客商品が必要なのか。その理由は患者様の立場で考えると理解しやすくなります。患者様からすると、治療院がそもそもどうゆうところなのかよくわかりません。例えば、次のような不安・疑問を抱えています。
- 何をしてくれるのか
- どんな効果があるのか
- 自分に必要なのか
- どんな先生がいるのか
- なんか怪しくないか など
様々な不安・疑問を抱えている患者様は簡単に来院してません。なので、まずは1度来院してもらうために、集客商品を作成します。通販などでよくある「お試しセット」がイメージしやすいと思います。
[aside type=”boader”]<参考例:治療院の集客商品>
- 体の歪み(ゆがみ)チェック
- 初回限定!〇〇施術 半額コース
- ワンコイン整体[/aside]
集客商品を考える時の注意点としては、治療家の腕(技術のアピール)で集客しようとしないことです。治療家の技術の高さをどんなにアピールしても、患者様は来院してくれません。患者様が「これなら行ってみようかな」と感じる内容の商品を考えることが重要になります。
[aside type=”boader”]<参考例:集客商品を使った集客方法>
一般的には、多くの人が「治療」よりもと「マッサージ」をして欲しいと感じているものです。この『マッサージをして欲しい』という価値観を利用することで、1つの集客商品を作ることができます。それは次のような方法です。
集客商品としてマッサージメニューを作る
・・↓
来院してもらう
・・↓
患者教育をする
・・↓
利益となる商品をうる
・・↓
リピートしてもらう
集客商品として『マッサージ』のメニューを作ります。60分2980円などの、街でよく見かけるものです。集客商品の目的は、利益を作ることではなくて、患者様に集客してもらうこと。なので、「マッサージ」という患者様にとって魅力的なメニューで集客します。
そしてマッサージで通ってくれう患者様に対して、患者教育をしていきます。患者教育をする中で「治療とは何は」「なぜ治療する必要があるのか」「治療しないとどうなるのか」などを患者様に伝え「自分には治療が必要だ」と納得してもらいます。
そして利益となる商品を売ることで、治療院の利益につなげていきます。集客商品だけでは利益を獲得できません。なので、利益を獲得することを目的とした『利益商品』を作成し、販売する必要があります。[/aside]
商品タイプ2:利益商品
利益商品とは、利益を獲得するための商品のことです。利益商品が売れることで治療院の売上が伸びていきます。マーケティングの用語では「バックエンド商品(BE)」と言われるものです。
利益商品で売上が伸びるようにすることで、ライバルとの差別化もしやすくなります。例えば、ターゲットを集客する時にライバルとの違いを出すことができます。
[aside type=”boader”]<参考例:集客商品と利益商品を使った集客方法>
ライバルの治療院がマッサージ60分コースを『お試し価格2980円』でチラシを出していたとします。この時、自分の治療院に集客商品と利益商品があり、しっかり利益商品を売ることができる仕組み(ビジネスモデル)を構築できていれば、ライバル治療院よりも安い価格でチラシを出すことができます。
例えば、自分の治療院はマッサージ60分コースを『お試し価格1980円』でチラシを出してみる。これはもう集客商品だからと完全に割り切ることで、ライバルよりも魅力的な価格を提示することができます。
そして『お試し価格1980円』から集客できた患者様にしっかり利益商品を購入してもらい、治療院の利益を作る。このような形を作ることができれば、集客でも売上でもライバルに勝てるという治療院を作っていくことができます。[/aside]
参考例を実践する際の注意点は前述の「キャッシュフロー管理」にあります。1980円のマッサージを集客商品(フロントエンド)にすることで必然的に「薄利多売」になるので、治療院の運転資金がそこをつかないように管理する必要があります。
マッサージで来院してくれた患者様が、何度目の来院で利益商品を買うのか。治療院の利益になるタイミングを明確にしてから、実践する必要があります。そして、そのタイミングを考えていくことが『ビジネスモデル』を考えることに繋がっていきます。
治療院経営で成功する為の5つの視点
経営の目的は利益を出すこととお伝えしました。ここでは治療院が利益を獲得(売上アップ)していくために必要となる5つの視点を解説していきます。
視点1:商品の作り方(メニューを作る)
視点2:経費を抑える
視点3:集客力を上げる
視点4:リピーターを増やす
視点5:来なくなった患者様を呼び戻す
視点1:商品の作り方(メニューを作る)
治療院の売上を作るためいは『商品』が非常に重要です。売上アップの仕組みやノウハウが手元にあっても、売るもの(商品)がなければ売上を作ることはできません。ここでは、3つの商品構築パターンをご紹介します。
1:施術メニュー
2:美容メニュー
3:物販
1:施術メニュー
施術メニューは治療院にとってメインの商品になります。ここでは施術メニューを構築するためのヒントをご紹介します。
[aside type=”boader”]■施術メニューを構築する3つのヒント
ヒント1:症状に特化する
ヒント2:施術部位を特化する
ヒント3:新しい治療法
ヒント1:症状に特化する
- 頭痛専門
- 腰痛専門
- 不妊症専門 など
様々な症状・問題に特化して施術メニューを作成します。
ヒント2:施術部位を特化する
- 骨盤矯正
- 野球肘の専門
- 足のインソール専門 など
身体の部位に特化した施術メニューを作成します。
ヒント3:新しい治療法
- 〇〇療法
- 〇〇整体
- 〇〇式〇〇法 など
既存メニューとは明らかに違い、特別感のある施術メニューを作成します。
上記のヒントを参考にして施術メニューを構築する時の注意点は、1つのメニューの中に様々な治療技術(治療スキル)を盛り込み過ぎないことです。1つのメニューでは、1つの技術にしてください。[/aside]
2:美容メニュー
美容メニューは女性患者様が主なターゲットになります。治療目的で来院されていた患者様に提案できるメニューとして、美容メニューがオススメです。例えば次のよう美容メニューが人気のあるメニューになります。
- 猫背矯正
- O脚矯正
- 小顔矯正
- 痩身(ダイエット)
- バストアップ(女性施術者向け)
美容メニューは価格を高く設定しやすく、売上アップには効果的です。治療との相性もいいので、患者様に提案もしやすいといえます。
例えば『女性患者には必ず美容メニューを提案する』と決めてしまえば、美容メニューを売るための流れを考えて治療内容や患者教育を考えることができます。そして、もしも『10人新規の女性患者が来たら、そのうち5人は美容メニューをやる』などの流れを確立できれば、治療院の売上も安定しやすくなります。
女性の美容に対する欲求はいつまでも無くならないので、美容メニューを構築することは非常にオススメです。
  
3:物販
物販とは、患者様に治療に関わるアイテムを購入してもらうことです。例えば次のようなものがあります。
- コルセット
- サポーター
- まくら
- インソール
- サプリメント など
物販の難しいところは「売られた感」「セールスされた感」が強くなってしまうことです。どんな人でも「ものを売られること(セールスされること)」には強い抵抗感を感じます。なので、物販を成功させるためには『その商品が必要な理由』をしっかり説明できるようにしてください。
- なぜコルセットが必要なのか
- なぜサポータが必要なのか
- 無いとどうなるのか
- 付けているとどんな効果があるのか
- 実際のお客様の声はあるのか など
患者様が納得し、購入したいと思ってもらうための流れ・商品説明を作るようにしてください。
視点2:経費を抑える
経費とは、治療院を経営するために使った費用(コスト)のことです。 経費についてしっかりと理解・把握することで経営がラクになっていきます。理解・把握しておきたい経費は次の3つです。
- 固定費:売上に関わらず毎月かかる費用
- 変動費:売上に比例して毎月変化する費用
- 未来費:数年後に必要となることがわかっている費用
自分の治療院の経費について具体的な数字を知らない場合は、ぜひ一度調べてみて下さい。経費を把握することが、治療院の正確なキャシュフローを把握することにも繋がっていきます。
[aside type=”boader”]<治療院の主な経費>
固定費:売上に関わらず毎月かかる費用
- 家賃・テナント料金
- 電気代
- 水道代
- 電話代(携帯料金)
- ネットの通信費用
- その他
変動費:売上に比例して毎月変化する費用
- 広告費(チラシ・PPCなど)
- 施術に使う備品の費用
- 交通費
- セミナー費用
- 雑費 など
未来費:数年後に必要となることがわかっている費用
- 店舗の内装費用
- 改装費用(リフォーム代)
- 施術ベッド代
- 施術の備品交換の費用
- エアコン
- スリッパ
- テナント契約更新費用 など[/aside]
治療院の利益は『売上 ー 経費』という計算式で求めることができます。
治療院の売上が伸びてきても、経費が増えていけば、利益は小さくなります。反対に、治療院の売上が伸びてきて、経費が少なくなっていえば、利益は大きくなります。つまり、経費を考えることは、治療院の経営においても欠かすことができないポイントであるということです。特に固定費は毎月かかる費用なので、できる限り小さくしたいところです。
『売上を伸ばすこと』ばかり考えてしまう人が多いですが『経費を減らすこと(抑えること)』を考えることも非常に重要です。利益を最大化するためには、『売上』『経費』この2つを考えるようにしてください。
視点3:集客力を上げる
治療院に患者様を集客しないことには、経営を続けることができません。患者様を集客するためにはマーケティングが必要になります。マーケティングとは、患者様に治療院の存在を知ってもらい、興味を持ってもらい、実際に来院してもらうまでの流れ(仕組み)を構築するための活動全般のことをいいます。
治療院に患者様を集客するための方法は大きく分けると2種類です。
- オンライン集客
- オフライン集客
この2つの集客方法を利用して、患者様を集客していきます。ここでは、オンライン集客とオフライン集客には、それぞれどのような方法があるのかをご紹介しておきます。
  
 1:オンライン集客
- ホームページ
- ブログ
- SNS
- エキテン
- Eメール
 
2:オフライン集客
- チラシ
- 看板
- パンフレット
- 口コミ
- 電柱広告
- フリーペーパー
- 雑誌
治療院の集客方法として最も重要になる方法が『ホームページ』です。インターネットが普及していることもあり、ホームページからの集客は治療院にとっても欠かせないものになっています。
集客できるホームページを作るための具体的な方法については別の記事で詳しく解説しています。集客できるホームページを作るための参考にしてください。
→ 整体師のホームページ作りの流れ|初めてのホームページ作りはどうすれば良い??
視点4:リピーターを増やす
治療院の売上を伸ばしたいと考えたとき『集客が重要』と考えてしまう人が多いです。しかし、本当に重要なことは『リピート患者を増やすこと』です。
治療院はリピーターがいることで売上が安定し、経営状態も良くなります。治療院全体の売上の80%がリピーターからの売上になっていることが理想的です。なので、リピーターを増やすこと。新規集客した患者様をリピートさせること。これが重要であると理解してください。
■リピーターを増やすためのコツ
リピーターを増やすためには次の3つのポイントを意識してください。
ポイント1:今のからだ状態についてしっかり説明すること
ポイント2:施術後のビフォー・アフターを伝える
ポイント3:今後の治療計画を明確に伝える
ポイント1:今のからだ状態についてしっかり説明すること
患者様は体の素人です。自分の体の状態がどうなっているのは分からなくて不安を抱えています。なので、しっかりと体の状態を説明して『どういう状態なのか』『なぜそうなっているのか』などを説明してください。
- 患者様の体の状態がどうなっているのか
- それはなぜなのか(原因・理由)
- 治療を続けていくといつ頃どうなるのか など
ポイント2:施術後のビフォー・アフターを伝える
施術の前と後でどんな変化があったのかを患者様にわかってもらうこと。これが非常に重要です。治療家だけが変化に気づいても意味がありません。施術をしてことで、患者様が変化を感じること(変化がわかること)が重要です。
患者様に施術の効果を伝えるためには、施術前後の『検査』がポイントになります。施術前の状態はどうだったのか。施術後の状態はどうなったのか。それを患者様にもわかるように伝えることで、患者様が施術の効果を実感してくれます。
施術の効果を実感できることが次回リピートに繋がっていきます。
ポイント3:今後の治療計画を明確に伝える
患者様の体の状態を踏まえて上で、今後どのような治療をしていくのか。これをしっかり伝えるようにしてください。
患者様は自分の体がどのような状態なのか。そして、治るのか・治らないのか。いつ頃良くなってくれるのかなどの情報を知りたがっています。患者様は何かしらの不安を抱えているということです。
治療計画をしっかり伝えることは、患者様の安心感につながります。そして、自分自身の信頼度も上がります。患者様から信頼を獲得できればリピート率が高くなるので、治療計画はしっかり説明するようにしてください。
■リピートを増やすための本質
『価格以上の価値を提供すること』これがリピートを増やすための本質です。施術価格以上の価値を感じてくれることで患者様はリピートしてくれます。もしも、価格以上の価値を感じない場合はリピートしてくれません。最悪場合はクレームになります。
[aside type=”boader”]例えば高級寿司店に行った場合。
1人30,000円のお任せコースが美味しくなかったら、二度とお店には行かないと思います。これは30,000円の価値がないと感じたということでもあります。
飲食店を例にあげましたが、これは治療院でも全く同じことがいえます。5000円の施術を受けて「こんなものか」と感じてしまったらリピートにはなりません。もし、価値と価格が同程度でもリピートする可能性は低いです。
反対に5000円出してでも「この治療院はすごい」「こんなに体が良くなるんだ」などと価値を感じてくれれば「また行きたい」と思い、次回の予約をしてくれます。[/aside]
施術の価格に対して患者様にどんな価値を感じてもらうことができるのか。それを考えるようにしてください。与える価値を考えるときは「QSC」という要素を参考にしてください。
- Q=クオリティ :治療技術
- S=サービス :接客の質
- C=クリンリネス:清潔感
この3つの視点から自分の治療院が提供できる価値を見直してみてください。
視点5:来なくなった患者様を呼び戻す
視点4ではリピートの重要性をお伝えしました。リピートを考えるときに忘れてはいけないのが「来なくなった患者様」の存在です。昔は来ていたけれど、来なくなってしまった患者様はもう一度来院してくれる可能性があります。
来なくなった患者様にアプローチし、来院してもらうことが治療院の売上アップにつながっていきます。そして『経営』という観点が考えると『来なくなった患者様を呼び戻すための仕組み』を作っていくことが重要です。
■来なくなった患者様を呼び戻す方法
来なくなった患者様を呼び戻すためには『DM』や『ニュースレター』が有効です。ここでは『DM』を使った方法をご紹介します。
DMとは「ダイレクトメール」の略称です。昔は来てくれていた患者様の住所に手紙・ハガキなどを直接送ることで、患者様の再来院を促します。取り組みやすい方法としては、ハガキDMがオススメです。ハガキDMは安価で実践できることも魅力の1つです。
■ハガキDMを実践する2つのポイント
ポイント1:ハガキを出した理由を明確にする
ポイント2:魅力的なオファーをつける
ポイント1:ハガキを出した理由を明確にする
なぜハガキを出したのか、どの理由を伝えることが大事です。理由もなく送ってしまうと、患者様に嫌がられてしまう可能性があります。
[aside type=”boader”]<参考例>
- 開業〇〇周年!〇〇キャンペーン
- 夏の〇〇キャンペーン
- お客様感謝デー
- お誕生日キャンペーン など[/aside]
ポイント2:魅力的なオファーをつける
オファーとは、患者様に提示るす取引条件のことです。ここでは、ハガキDMに記載する特典のことであると理解してください。例えば次のような内容です。
- 施術料金の割引
- 限定〇〇名様まで
- 〇月〇日まで
- 来院の特典のプレゼント など
オファーの内容が患者様にとって魅力的だと、患者様の来院につながります。最近来てない患者様にとって、どんな内容が魅力的なのかを調べた上で、魅力的なオファーを考えるようにしてください。
治療院経営における失敗する3つの要因
治療院の経営に失敗する3つの要因をご紹介します。自分の状況と比較しながら、3つの要因について内容を確認してください。
要因1:メニューが適正価格になっていない
要因2:技術に固執しすぎてしまう
要因3:売上と経費を把握していない
要因1:メニューが適正価格になっていない
メニューの価格設定を間違えてしまうと、キャッシュフローに問題が生じ、経営がうまく回らなくなっていきます。治療院の場合は、メニューの価格が適正価格に設定されていないと利益を出すことができません。
基本的に治療院の施術は自費診療です。自費診療は自分で施術の単価設定できるので、自由に決めることができます。しかしその反面、設定価格が治療院の経営に大きな影響を与えることを理解しておく必要があります。
例えば、60分6000円で施術する場合と、60分12000円で施術する場合では、同じ1時間の施術でも売上に2倍の差がでてきます。これは非常にシンプルな例ですが、価格の設定が治療院の売上に大きな影響を与える。この事実を理解して欲しいと思います。
■適正な価格設定に必要な5つの視点
適正価格を考えるときは5つの視点を踏まえた上で、価格設定してください。5つの視点は次の通りです。
視点1:施術の時間
視点2:施術の1分単価(施術1分間あたりの売上)
視点3:1月間の通院回数
視点4:ライバルの価格
視点5:自分のポジション(ライバルとの差別化)
施術の適正価格は治療院の状況・状態によって変わってくるので、ここでは一概に「これがいい」というものは示しません。しかし、5つのポイントに関して「これぐらいが良い」とされている数字・考え方をご紹介しておきます。内容を参考にしながら自分の治療院の価格設定を見直してみてください。
[aside type=”boader”]視点1:施術の時間
15分~20分(施術のみの時間)
視点2:施術の1分単価
150円~200円。100円以下は経営が苦しくなる。
視点3:1月間の通院回数
1ヶ月間に2回以上は通える価格になっているか
視点4:ライバルの価格
自分の価格設定の際に参考にする(前提としてライバルが繁盛していること)
視点5:ライバルとの差別化
ライバルと自分はどんな違いがあるのか。どんな強みがあるのか。その違いを踏まえて上で価格設定を考える[/aside]
要因2:技術に固執しすぎてしまう
治療の腕さえあれば集客できる。治療院は成功する。このように考える治療家は少なくありません。しかし、治療技術だけで集客できる時代は終わりました。
一昔前の時代であれば、治療技術だけでも集客できたかもしれません。しかし今の時代は、患者様の購買基準が変わってしまいました。
治療技術だけでも集客できた頃は『物が無い時代』でした。そのため、お客様(患者様)は「商品が欲しい」という欲求が強かったので、良い物(良い治療技術)さえあれば売れる時代でした。
しかし、今は『物があまりの時代』といわれています。ありとあらゆる物が溢れているので、お客様の物に対する欲求が低下してきています。そのため、良い商品を持っているだけでは売れない時代になっています。
では、何を基準にしてお客様が商品を購入するのか。それは『誰が』という部分が大きなポイントになっています。『何を言うか』で買うか買わないかを決めています。
つまり『この人なら信頼できる』と感じる先生だから来院してみる。信頼できるし、安心できるからリピートする。このように『誰が』という人間の部分で買う・買わないを判断するようになってきています。
- 知らない人
- 無愛想な人
- 信頼できない人 など
このような人に治療して欲しいと感じる患者様はいません。今の時代に求められているのは『安心できる治療家』『信頼できる専門家』です。
患者様に『安心できる治療家』『信頼できる専門家』と感じてもらうためには、治療技術の他にも、患者様とのコミュニケーションスキルが必要になってきます。
コミュニケーションが取れないと信頼関係が作れません。言葉の伝え方・感情表現で、患者様との関係性が決まっていきます。技術の高い治療の他にも、こうした部分をサービスの一環として提供しなければいけません。
もしコミュニケーションスキルが欠けていると、施術は素晴らしいものを提要しても患者様が不満を感じてしまうことがあります。
- なんか嫌だな
- この人には治療されたくないな
- もっといい人を探してみようかな など
治療技術だけでなく、患者様との関係性を構築すること。ここに強い意識を持って行くことを忘れないでください。
要因3:売上と経費を把握していない
治療家は経営者になる必要があるとお伝えしてきました。そして、経営するためには治療院のキャッシュフローの把握が必要になるとお伝えしました。
『売上と経費を把握していない』ということは『キャッシュフローを把握していない』ということになります。売上と経費を把握していないと治療院の運転資金が無くなってしまい、治療院を続けることができなくなるということです。
治療院のキャッシュフローを健全に保つために、『売上』と『経費』この2つの数字はしっかり把握するようにしてください。
■売上と経費のおさらい
売上とは、治療院入ってくる売上金のことです。患者様にいただいた料金の合計が、売上になります。経費とは、治療院を経営するために使った費用(コスト)のことです。 次の3つの経費を理解しておいてください。
- 固定費:売上に関わらず毎月かかる費用
- 変動費:売上に比例して毎月変化する費用
- 未来費:数年後に必要となることがわかっている費用
経営の目的でもある治療院の『利益』は『売上ー経費』という計算式から算出できます。稀に『売上=利益』であると勘違いしている人がいますが『売上=利益』ではありません。
利益とは、売上から経費を差し引いた分の金額のことです。なので、売上と経費をしっかり把握しておかないと、治療院の運営が悪化してしまう可能性が高ってしまいます。
特に経費に関しては「固定費」を把握しておくことが重要です。なぜなら治療院の経費のほとんどが固定費だからです。固定費は少ないほど経営が安定します。逆に、固定費が高いほど大きな売上が必要になってきます。変動費や未来費はかからないことが多いです。
治療院によって差はありますが、治療院は手技を使うことが多いので仕入れや材料費がかからない事が多いからです。なので、『売上ー固定費=利益』となる場合が多くなります。
治療院の経営を失敗させないためには、固定費をしっかりと把握してください。そして、どこか削れる固定費はないか。ぜひ一度チェックしてみてください。固定費をなるべく抑えることが、利益を最大化し、経営を成功させるためのポイントになります。
まとめ
治療院における「経営の概念」から「経営に必要な考え方」、そして「成功に欠かせないポイント」などを解説しました。
治療家の多くは『治療院を経営する』という概念が欠けているために、集客できない・売上が伸びないなどの悩みを抱えています。中には、一発逆転の成功ノウハウを求めている人もいます。しかし、本当に必要なことは『経営』に関して学び、実践していくことです。
稼げる治療院になるためには『経営』が必要不可欠ということです。
経営についての知識・考え方を学びながら実践していくことができれば、誰でも稼げる治療院を作り上げることができます。しかし、もしも経営を学んで実践してるのに繁盛できないのであれば、この記事でお伝えしてきたポイントのどこかに問題があると考えてください。
- キャッシュフロー
- ビジネスモデル
- 商品設計
- メニューの価格設定
- 売上と経費の問題 など
今回お伝えした内容を参考にしながら、自分の治療院の経営状態を見直してみてください。そして、治療院を経営する重要性も再確認して欲しいと思います。
経営に関する概念・考え方が理解できたら、今度は1つ1つ具体的な行動を起こしてください。ビジネスモデルの構築・商品設計・集客の実践など。1つ1つ実践しながら、稼げる治療院を作り上げていってください。
もし、もっと治療院経営について詳しく知りたい。もっと売上を伸ばせるようになりたい。もっと集客できるようになりたい。このような悩みを抱えているのであれば、無料プレゼント中の「一人治療家豊かさ集客スクール」の講義動画をご覧ください。多くの参加者が売上100万円以上を達成したスクールの講義動画です。
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