一人治療家が経営で成功していくためには、まず集客を上げていくことが大前提です。
しかし、リスクヘッジに対しても同じくらいの意識を向けておくことは、一人経営では欠かせないことかと思います。
治療業界における多様化の波は年々広がっています。
今後、一人治療家が安定した売り上げを目指していく上で、リスク分散は必須です。
複合型の戦略を念頭においた経営も必要となってくるでしょう。
そこで今回は「面戦略と点戦略」「プロフィット戦略とコンクエスト戦略」による複合戦略の在り方についてお話していこうと思います。
4つの戦略による複合戦略とは?
一人治療家の集客に必要となる「面戦略と点戦略」「プロフィット戦略とコンクエスト戦略」については、以前にお伝えしたとおりです。
(面戦略と点戦略について詳しくはこちらの記事をご参照ください⇒『一人治療家の集客に希望の光!治療業界の未来を見据えた経営戦略とは?「面戦略」vs「点戦略」』)
(プロフィット戦略とコンクエスト戦略について詳しくはこちらの記事をご参照ください⇒『知れば得する!一人治療家の集客を加速させる2つの戦略ワンポイントアドバイス』)
複合戦略は、これら4つの戦略の特性を上手く見極めて考えていきます。
わかりやすく図解します
そこで、複合戦略とはどいういうことなのか?4つの戦略を駆使するというのはどういうことなのか?ということを、分かりやすいよう図にしてみました。
縦軸を「プロフィット戦略とコンクエスト戦略」、「横軸を面戦略と点戦略」とし、4つの戦略グループに分けてみました。
1~4それぞれの特性を簡単に説明ると
(1)「面戦略×コンクエスト戦略」
⇒利益率より集客数を重視する分野
(2)「点戦略×コンクエスト戦略」
⇒競合少なく売上や利益率が高くなる分野
(3)「面戦略×プロフィット戦略」
⇒スタンダードに集客できる分野
(4)「点戦略×プロフィット戦略」
⇒トレンドに合わせていく分野
と、このような感じになるでしょうか。
経営を安定させる複合戦略の導線
一人治療家の場合、最初の頃は基本的に(3)「面戦略×プロフィット戦略」でコツコツ経営を進めておくのが良いかなと思います。
まずは、流行り廃りのないスタンダードなところで売り上げていき、経営基盤を確保しておきます。
次に、基盤がある程度できたことろで、点戦略やコンクエスト戦略を織り交ぜながら、売上を+αさせていく。
つまり、(3)の後に(1)や(4)の分野も採り入れていく流れが理想的かな、と思います。
そして、目指すゴールは(2)の「点戦略×コンクエスト戦略」の分野です。
ここでライバルが出現しても3年は追いつけない参入障壁(「○○No.1」)を築きあげておく。
そしてその3年の間に次の戦略を打ち出していく…となっていけば、あなたの経営はかなり安定すると言って良いでしょう。
複合戦略の展開とリスクヘッジ
リスクヘッジ、つまりリスクの分散という点から言えば、(1)~(4)の4つすべての領域をカバーできることが理想です。
例えば月商を200万円あげている(あげたい)として。
どこか一つの分野に売り上げが集中していた場合、もしもその戦略が行き詰ったとしたら…。
経営が揺らいでしまいますよね?
しかし、それぞれの分野で50万円ずつ分散できれば、仮にどこかの分野が行き詰ったとしても、他の3つが支えてくれるので、経営が大きく揺らいでしまうという事態は回避できるでしょう。
さらにリスクの分散を考えていくことは、同時に集客の間口を拡大させることにもつながります。
例えば鍼灸院であれば治療をメインにしながら美容鍼の間口(ホームページ)も開いておいて、美容を意識する人たちを+αで集客していく。
このような展開を各分野において構築していくのも一つのやり方です。
リスクヘッジと攻めの集客 まとめ
経営に正解はありません。
絶対にこうすれば良い!という法則もありません。
人によってスタートラインも違います。
開業当初から(2)「点戦略×コンクエスト戦略」を狙っていける人もいるでしょう。
複合戦略は、4つの戦略を知り、それらを織り交ぜ駆使し、さらには長期的な部分も視野に含めていくことにもなります。
現実的には、かなり難易度が高くなる戦略であるのも事実です。
ですので、最初のうちは「こういうのがあるんだな」くらいからで良いのです。
ただそうやって意識を持って経営を続けていけば、必ずあなただけの複合戦略が見つけられるようになると思います。
経営とは地道な作業です。
ですので焦らずじっくり、けれど効率よく!進めていただきたいと思います。
最後までお読みいただきありがとうございます。