個人で店舗経営をしていると多くの人が集客という壁にぶつかります。

特に、地方に店舗を構えている場合、どの方法が集客に最も適しているのかの見極めが難しいですよね。

地方と都心では、集客方法に違いがあります。

あなたが地方で開業している場合は、都心と同じような集客方法でお客様を集めることは難しいでしょう。

今回は、都心と地方の集客の違いについてお話ししたいと思います。

地域集客その1. 都心と地方の違い

まず最初にお伝えしたい大きな違いは、公共交通機関を使うか自家用車を使うかです。

ヤフー株式会社;「日本は2つの国からできている!?~データで見る東京の特異性~」

こちらの分布図は、Yahoo! JAPANビッグデータレポートチームが発表した、一人の人が一年間に電車を利用する回数(横軸)とマイカー通勤・通学率(縦軸) をマッピングしたものです。

電車の年間利用回数は2013年の国土交通省旅客地域流動調査と総務省統計局の都道府県人口をもとにヤフー株式会社が算出、マイカー通勤・通学率は2010年の国勢調査をもとにマッピングされています。

このデータから分かることは何か?

それは、住んでいる地域によって移動手段に違いがあるということです。

当たり前のことですが、地域集客において無視できる内容ではありません。

  • 東京に住んでいる人が使う移動手段の多くは電車
  • 関東・関西の主要7府県(千葉・埼玉・神奈川・大阪・京都・兵庫・奈良)に住んでいる人は電車と車が半々
  • それ以外の地域は車での移動が多い

あなたはどの地域に出店していますか?

あなたが出店している地域の人が使う移動手段を考えると、あなたがとるべき集客方法の一つが見えてきます。

東京23区や各県の主要駅近辺に出店している場合

電車利用者が多いことを考えると、駅に近い場所が集客に有利です。

地域集客で自社独自のホームページを作成している方は「駅名+〇〇」の検索キーワードで上位表示されるコンテンツを充実させることであなたの店舗を多くの検索ユーザーに知ってもらうことができます。

店舗の場合、美容系なら”ホットペッパービューティー”のようにクーポンサイト、、飲食系なら”食べログ”などの口コミサイトが上位に表示されることが多いですが、SEO対策がしっかりされた充実した独自サイトの場合も上位表示されます。

SEO対策については整体師がホームページで集客する場合の流れやその概要についてという記事で説明しています。参考にしてみてください。

車利用者が多い地域に出店している場合

車利用者が多い地区に出店する場合は、店舗前に駐車場があり路面店であることが重要です。

狭い道幅の道路先にある店舗では、車での出入りがしにくい事は言うまでもありません。

また、路面店でない場合はお客様の目に付きにくいだけでなく、新規で利用する方を迷わせる原因にもなります。

よほど腕に自信があり隠れ家的店舗を狙わない場合は、お客様の利便性を第一に考えるのは必然です。

ツイッターで下記のようなアンケートが実施されていました。

投稿数は少ないですが、88%の方が駐車場から店舗までの距離は徒歩5分以内と回答しています。

こちらは、家から駅までの歩ける時間についてのアンケートです。こちらも回答数は多くありませんが、店舗集客においても参考になる指数でしょう。抵抗なく歩ける距離は10分以内と考えている方が半数以上です。

駐車場ありの路面店にできない場合は、徒歩5分以内の駐車場と提携するなど、駐車料金のサービスを実施することも考える必要がありそうです。

地域集客その2.地域の特性に合った訴求ができているか

訴求とは、宣伝・広告などで消費者の購買(サービス利用)心理に訴えかけることです。

集客方法はいくつも種類がありますよね。

  • テレビCM
  • ラジオ
  • 折込チラシ
  • ポスティング
  • 雑誌掲載(地域情報誌やフリーペーパー含む)
  • オウンドメディア(自社サイト・動画など)
  • インターネット広告(リスティング広告など)
  • SNS(Facebook・Twitter・Instagram・LINE@)

パッと思いつくだけで8つの宣伝方法があります。

金銭的に余裕があれば、可能な限りの宣伝をすることでより多くの人にあなたの商品・サービスを知ってもらうきっかけになります。しかし、限られた予算で宣伝を行う場合、より効果的な手段を考える必要がありますよね。

そこで注目したいのは、あなたが商品・サービスを提供している地域の特性です。

ヤフー株式会社;「日本は2つの国からできている!?~データで見る東京の特異性~」

上のグラフは、2015年1月~2月のYahoo!検索データ(PCのみ)をもとに、Yahoo! JAPANビッグデータレポートチームが発表した調査結果です。人口一人あたりの年間検索数が指数化され都道府県別に表してあります。

このデータから分かることは、東京とそれ以外の地域ではインターネットの利用に大きな差があるということです。

東京では多くの人がインターネットを使って検索しているため、自社サイト、インターネット広告、SNSを活用しての情報発信がより効果的に行えます。

逆に、検索回数が少ない地域で集客を考えている場合は、インターネット媒体だけの集客ではあなたが求める顧客層に情報を届けることが難しいでしょう。

しかし、上記のデータは2015年のパソコンのみの検索データをもとに算出してあるため、現状はもう少し変わってきます。

スマートフォンが普及したことにより、インターネットの利用者数は以前よりも格段に増えています。そのことを踏まえて考えると、この方法を試すと必ず集客できるという答えはありません。

訴求について考える際は、あなたがターゲットにしているお客様がどんな行動をとっているかを踏まえたうえで集客方法を考えることが必要です。

地域集客その3.ターゲット心理を分析する

あなたはターゲットを設定していますか?

あなたの店舗に来てほしいお客様はどんな方ですか?

集客の要ともいえるのが、ターゲットを設定することです。

これは、都心部だろうと地方だろうと関係ありません。

どんな商品・サービスだろうと「こんな方に提供したい」という明確なターゲット設定が必要です。

大手企業でも一つの商品を作る際に必ずターゲットを設定します。そして、そのターゲットの人物像や行動について細かく設定したうえで、商品やサービスを宣伝するための手段を考えます。

地方で店舗集客を考えているあなたは、人口が少ないからという理由で地域の人全員を対象にしていませんか?

どんなに地方であっても、ターゲット設定なしに集客を成功させることはできないということを理解しましょう。

ターゲットを設定し、ターゲットの心理状況を考えた訴求に力を入れることが集客成功への鍵です。

ターゲット設定から考えられた訴求法の事例

花王株式会社のヘアケアブランド「PYUAN (ピュアン)」は、20代の女性をターゲットにし、そのターゲットの特徴を的確にとらえた訴求方法で集客に成功しています。

20代女性は、テレビよりもスマートフォンでの情報接触が多いことから、今回の施策ではテレビCMを使わず、デジタルを中心に展開。Instagram, Facebook広告の両方を活用し、18〜29才の女性をターゲットにキャンペーンを展開しました。(引用元;Instagram Business 成功事例 花王株式会社の投稿担当者の声より

ターゲットの日常を細かく設定することで見えてきた訴求方法を活用することで集客に成功している事例です。

PYUANの場合、年齢層が広めに設定してありますが、もう少し絞ったターゲット設定をすることをお勧めします。

理由は、同じ20代でも生活スタイルによって趣味嗜好、生活スタイルが異なるからです。

25歳独身女性と25歳子育て主婦では生活スタイルがまるで違います。同じ年齢だからといって同じ集客方法で効果があるとは限りません。

ターゲットを設定する際は最低でも以下の10項目について詳細に考えましょう。

  • 年齢
  • 性別
  • 家族構成
  • 職業
  • 収入
  • 性格
  • 特技・趣味
  • 平日と休日の過ごし方
  • 習慣
  • 悩み・不安・解決したいこと

より詳細に設定し、ターゲットの行動に合った集客方法を考えましょう。

まとめ

今回は、都心と地方の集客方法の違いについてお伝えしました。

  1. 都心や各県の中心地域で集客を考えている場合、電車利用者の利便を考える
  2. それ以外の車利用者が多い地域で集客を考えている場合、駐車場がある路面もしくは徒歩5分以内の駐車場を確保する
  3. 集客の要ともいえるターゲット設定を疎かにせず、ターゲットが利用するであろう宣伝方法で訴求する

以上3点に留意してみてください。

この記事があなたの参考になれば幸いです。