万一のリスクに備えて加入する整体師賠償責任保険。整体師の専門学校でも卒業生専用の賠償責任保険を用意し、加入を勧めているのでご存知の方もいらっしゃるでしょう。

整体師はお客様の体に触れるので、常に賠償責任を問われるリスクがあります。

整体院の経営者と話していると、残念ながら不当なトラブルに巻き込まれてしまったという話を耳にすることもあります。

整体師賠償責任保険は、その万一のリスクを保証してくれます。万一を考えると、備えはあるにこしたことはありません。

今回は、賠償責任保険について説明したいと思います。もし、賠償責任保険の加入は必要かどうか悩んでいるならば、保険選びの参考にしてください。

整体師賠償責任保険とは?

お客様から施術後に痛みが増した、けがをさせてしまったなどのトラブルが起きたときに、それに関係する費用などを保証してもらえるのが整体師賠償責任保険です。

トラブルが起きてしまったときに、必ずしも話合いで解決できるわけではありません。

また、とんでもない金額を請求されることもあるでしょう。

賠償責任保険に加入していれば、万が一のときに保証を受けることができます。

補償内容4点

整体師賠償責任保険の補償内容は、大きく分けて4つです。

  1. 治療費・慰謝料などの損害賠償金
  2. 応急手当や緊急措置で発生した費用
  3. 裁判にかかる費用
  4. その他保険会社が必要と認めた費用

保険の種類によって内容が変わるので、検討中の保険の補償内容についてはよくご確認ください。

賠償責任保障の適用事例

事例1:腰痛の治療後に痛みがあると訴えがあった

腰が痛いということで治療をしたが、翌日痛みが激しくなったとクレームあった。
厚生労働省が危険としているスラスト法など、保険の適用とならない手技の規定があるので事前に確認が必要。スラスト法については、厚生労働省に以下のような定義と禁止規定があります。

(2) 一部の危険な手技の禁止

カイロプラクティック療法の手技には様々なものがあり、中には危険な手技が含まれているが、とりわけ頚椎に対する急激な回転伸展操作を加えるスラスト法は、患者の身体に損傷を加える危険が大きいため、こうした危険の高い行為は禁止する必要があること。

引用元:厚生労働省「医業類似行為に対する取扱いについて」https://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/isei/i-anzen/hourei/061115-1a.html

事例2:治療中にお客様の所持品を誤って破損

お客様の鞄を預かる際に誤って落としてしまい、中に入っていたスマートフォンやタブレット等を壊してしまった。

事例3:機器によってお客様に怪我をさせてしまった

家庭用の温熱機器を使ったところ、お客様にやけどを負わせてしまった。

事例4:出張中に発生した事故

出張施術のため自転車での移動中、歩行者とぶつかってしまい怪我をさせてしまった。

事例5:店舗の看板が落ちて通行人が怪我、車を傷つけてしまった

強風などで、店舗の看板が落ちたり倒れてしまったときに、通行していた人にぶつかってしまったり、車にぶつかってしまった。

賠償責任保険の費用

賠償責任保険にかかる費用は、1万円~3万円程度。

補償内容によって、金額の差があります。

また、整体師の専門学校を卒業された方は、専門学校が用意する賠償責任保険があります。

民間の賠償責任保険に加入するよりも、費用が抑えられていたり、補償内容が手厚いケースもあるので調べてみるとよいでしょう。

賠責保険のメリット

賠償責任のメリットは

  1. トラブルが起きたときに相談できる
  2. 損害賠償金、治療費などの費用が保証される
  3. 裁判費用が保証される
  4. 弁護士を紹介してもらえる

といった点です。

特に、相談窓口が用意されている保険がほとんどですので、トラブルがおきたらすぐに相談ができるのもメリットの1つです。

自賠責保険の選び方

自賠責保険には、加入ルートが複数あります。また、保険によって保証される内容が変わります。

注意すべきポイントを紹介します。

整体師自賠責保険の加入方法は3つ

整体師賠責保険の加入ルートは大きく分けて3つあります。

  1. 民間保険会社の整体師賠償責任保険や職業別自賠償責任保険
  2. 整体師の専門学校が卒業生を対象に募集している整体師自賠償責任保険
  3. 施術団体が募集している整体師自賠償責任保険

加入ルートによっては、団体割引があるため費用が安くなっているものもあるので、それぞれの商品について比較してみるとよいかもしれません。

施術団体に加入することが条件の保険もあります

施術団体に加入しなければ賠償責任保険に加入できない保険もあります。

賠償責任保険に加入する場合は、複数の保険の資料を取り寄せて比較することをオススメします。

保証対象は確認すること

よくあるのが保証の対象が経営者だけであったという場合。

スタッフやアルバイトを雇っているという方は要注意です。

保険によってはスタッフが対象に含まれないケースもあるので条件を確認しましょう。

保証範囲が広がるとコストも高くなる

保証内容が充実していると安心しますが、その分コストもかかります。

例えば、出張することが無ければ、出張時の保証は不要ですよね?

不要な保証を省くとよいでしょう。

整体師自賠責保険まとめ

いくつか自賠責保険をまとめてみました。ぜひ参考にしてみてくださいね。

整体師賠償責任保険は安心を得るもの

お客様の体に触れて施術する以上、絶対にトラブルは起きないという保証はありません。

とくに整体院で起きるトラブルの中で、お客様の思い込みによるものも少なくはありません。

賠償責任保険に加入しておけば、万が一の時に相談できますし、トラブルにかかった費用が保証されます。

加入して損することはありません。

万が一のときの安心を得るものと思って、加入することをオススメします。