「整体師って独学でもなれますか?」このような質問を受けることがあります。結論から言うと、独学でも可能です。ただし、かなり険しい道のりだと思ってください。
まず一般の人は、独学で勉強するにしても、何をどれくらい勉強すればいいのかわからないからです。だからこそ、多くの人が1度は整体の学校に通っています。
しかしそれでも「独学でチャレンジしてみたい」という方のために、0から独学で整体師になるためにはどんな勉強や行動をして準備すればいいかをお伝えしていきます。
目次
整体師はなぜ独学でもなれるのか?
「そもそも整体師って学校が結構あるけど通わなくてもいいの?資格とかどうなってるの?」そう疑問に思う方もいらっしゃると思います。
整体師になるためには、必ず学校に行く必要はありません。そして、資格も必ず必要というわけではありません。(資格については整体師になるにはどんな免許や資格が必要なのか?が2分で分かる!を参考にしてください。)
ただし当然ですが、資格がある方がメリットが多いことは事実です。特に国家資格を保有している・保有していないの差は大きいです。
- 鍼灸師
- 理学療法士
- 柔道整復師
など。こうした国家資格保有者が、自費診療の整体院を開業するケースも増えてきました。(国家資格について詳しく知りたい場合は、整体師に国家資格は必要?あるとライバルに差がつく国家資格を紹介しますをご覧ください)。
ライバルの多くは、何年も学校で専門的に勉強しています。そこに独学で立ち向かうということは、相当な努力が必要だということをまずご理解ください。
ただし、これからお伝えすることがしっかり実践できれば不可能ではないです。
解剖学・運動学・生理学の勉強をする
まずは整体業の基本となる3つの専門分野を勉強してください。
- 解剖学
- 運動学
- 生理学
それぞれの分野の教科書を買ってきて、一通り目を通すこと。それがスタート地点です。ただし、はじめのうちは本を読んでもあまり頭に入ってこないと思います。しかし、それは当たり前のことでもあるので、焦らないでくださいね。
2回目以降読む時に意識すること
1回読むだけではほとんど頭に入らないので、一通り目を通したら、次のことに集中して2回目を読んでください。
- 骨の名前を全て覚える
- 関節の名前を全て覚える
- 筋肉の名前を全て覚える
- 神経の名前を聞けば場所がわかる状態にしておく
- 主血管の名前を聞けば場所がわかる状態にしておく
- 運動の方向を示す単語を全て覚える(屈曲・伸展・外転など)
こうした基礎知識(専門用語)に注目してください。専門書は基礎知識ががわかることが大前提で文章が書かれているからです。まずは基礎知識だけでも確実に覚えるようにしていきましょう。
病態を勉強する
基本的な解剖学・運動学・生理学に一通り目を通したら、次は病態を勉強します。
病態というのは、次のような項目があります。
- 腰部椎間板ヘルニア
- 脊柱管狭窄症
- アキレス腱周囲炎
- 変形性膝関節症
- 腱板損傷
など。整体院によく来るような疾患の、一般的に言われている症状や原因を覚えることです。
以前『整体師が開業する前に絶対に読んでおいた方がいい本10選』記事でもご紹介させていただいた本などを読んでいただければと思います。
著者名:工藤慎太郎
書籍名:運動器疾患の「なぜ?」がわかる臨床解剖学
出版社名: 医学書院
出版年月:2012/5/18
治療技術の練習をする
治療技術に関しては、たくさんの種類があります。
技術に関しては、まずは教科書や書籍を読むよりも『講習会』に参加することをオススメします。経験がないと文章だけを読んでも、正直あまりピンと来ないと思うからです。
まずは、何個か実技ありの講習会に参加してみる方が効率がいいでしょう。
講習会情報は『PT-OT-ST.NET』という理学療法士・作業療法士・言語聴覚士さん向けの情報サイトに載っている、「理学療法士」さん向けの講習会がオススメです。
家族や友人相手に繰り返し練習をする
講習会に参加したあとは、すぐに実践練習を行ってください。当日か翌日にまず、家族や親しい友人にアポを取って講習会で習った内容を、実践することが大事です。
できるだけ多くの人の体で練習することを意識してください。
人の体は千差万別で色々なタイプがあるので、毎日母親にだけ練習を行っていても、成長速度は遅くなってしまいます。SNSで呼びかけるなどして、無料でいいので何度も何度も人の体を使わせてもらい練習してください。
マーケティングの勉強をする
ここまでは知識・技術的な話がほとんどでしたが、これと並行してマーケティングの勉強もしていく必要があります。厳密には意味が違うのですが「マーケティングの勉強=集客の勉強」であると考えてください。
当サイトでは、整体院のマーケティングに特化した記事を書いているので、まずはこのサイトの記事を隅々まで読んでもらえればと思います。
動画で学ぶこともできるので、是非ご覧になってください。
はじめはいきなり起業しないことをオススメします
ここまでにお伝えしてきた内容を、本気で半年〜1年ぐらいかけて毎日行ってください。その後は、施術を実践する場を定期的に作ることが重要です。
独学で整体業を志す人の実践の場として、次の2つがオススメです。
- 整骨院に期間限定でにバイトとして雇ってもらう
- 週末に整骨院かレンタルサロンを借りて、そこでお客さんに安価で受けてもらい感覚を掴む
やはり最後は経験がものをいう世界です。生の患者さんの体に触れることで、最初は飛躍的に成長できます。独学だとしても、ベースの基礎知識を抑えて数さえこなせば、おそらく技術は向上していきますのでご安心ください。
まとめ
整体業の基本知識は次の3つです。
- 解剖学
- 運動学
- 生理学
特に初めは次のポイントに集中して知識をつけていってください。
- 骨の名前を全て覚える
- 関節の名前を全て覚える
- 筋肉の名前を全て覚える
- 神経の名前を聞けば場所がわかる状態にしておく
- 主血管の名前を聞けば場所がわかる状態にしておく
- 運動の方向を示す単語を全て覚える(屈曲・伸展・外転など)
知識がついてきた段階で、同時にやるべきことがあります。それは次の3つです。
- 講習会に参加する
- マーケティングを学ぶ
- 実技を練習できる環境を探す
この3点を意識して、半年〜1年ぐらい頑張ってみてください。そうすることで、独学でも整体師として働くための、知識・技術を習得することができると思います。
『継続すること』ここが一番難しいと思いますが、まずは自分を信じて実践してみてください。